3度目の正直
そういえば、ダンジョン管理者になってから何も食べていないことに気がついた。
なぜ忘れていたのかというと、食欲がないのだ。ダンジョンに来てから何日か経ったが、食べずに生活できるらしい。ヘルプで聞いてみると……
ヘルプ
Q.食事は必要ないの?
A.はい。さらにいうと睡眠も必要ありません。ですが、食事や睡眠をとることは可能です。
というように、睡眠も要らないことがわかった。今までの習慣として寝るようにしていたため、この事実はとても驚いた。
果たして食事要らず睡眠要らずは、人と言えるのだろうか。
「……人間辞めてね?」
軽いショックを受けていると、ダンジョンの入り口を見ていた第三部隊のスケルトンから「冒険者がやってきた」という知らせが入った。
いつものように、ガイアはアークデーモンを連れて様子を見に行くのだった。
「あいつら、懲りずに今日も来たな。俺としてはありがたいが」
「昨日から1人増えているようですね」
「まあ、悪夢で眠られれば関係ないでしょ」
「はい。では、行ってまいります」
アークデーモンは昨日と同じように、死角から悪夢の魔法を放った。
「まただ! 眠くなっていく……」
「注意していたのに……」
「これは! ま……ほう? ……」
こうして、昨日と同じように眠らせることができた。
「よくやったぞ! アークデーモン!」
「ありがとうございます。しかし、あの新メンバーは魔法だということに気がついておりました」
「そうなのか? 一応あいつら全員を【鑑定】しておくか」
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種族:ヒューマン(冒険者)
名前:ハル
スキル:【片手剣術・見習い】【挑発】
冒険者レベル2
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種族:ヒューマン(冒険者)
名前:ルミ
スキル:【剣術・見習い】【渾身の一撃】
冒険者レベル2
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種族:ヒューマン(冒険者)
名前:ユキ
スキル:【ヒール】【魔力探知】
冒険者レベル2
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ユキという冒険者が【魔力探知】というスキルを持っていた。これは、魔力の流れや魔法発動の予兆・痕跡などを感じ取ることが出来る。
このスキルにより、魔法だと分かったのだろう。
「明日からは、違う方法を取った方がいいかな?」
「そうですね。あの冒険者達も対抗してくるでしょうからね」
ハル達3人が眠らされてから3時間後。ルミとユキが目を覚ました。
「また、眠らされてしまったわ」
「これはきっと、魔法が原因です」
「わかるの?」
「はい。スキル【魔力探知】で魔法が使用される予兆を感じ取りました」
「ユキってすごいのね!」
「ありがとうございます」
「次来る時は、この魔法に対抗できるようにしないといけないわね」
「そうですね」
「ハル! 起きなさい! 帰るわよ!」
ルミはハルを起こし、3人は帰っていった。
「よし、今日もポイントゲットだ!」
ガイアは3人が帰ったことを確認し、水晶の部屋に戻ってきていた。
「3人が3時間いたから、216pt獲得したぜ!」
「おめでとうございます。マスター」
「デッキとポイント交換するには、まだ足りないな」
500pt集めれば、デッキと交換することができる。
「昨日と合わせると364ptですからね」
「後少しなんだけどな……。【カードパック】開けたいな……」
「……」
「……1個だけ交換しちゃお」
「よろしいのですか?」
「……1個だけだから」
ガイアは誘惑に負け、1個ポイント交換をした。
「交換しちゃったらもう開けるしかないよな! ……早速開封しよう」
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