それぞれの目的地へ
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その日の夜、ガイアはアルフのダンジョンに戻ることを伝えた。
「そうか…」
「寂しくなるわね」
「一緒に旅をしてくれてありがとう」
「・・・私もガイアくんについていく」
ユキがそう告げた。
「いいのか?」
「ガイアくんを一人にすると危ない気がして」
「確かにそうね」
「その通りだな」
「俺ってそんなに危なっかしいか?」
「「「うん」」」
「・・・そうなのか」
みんなに危なっかしいと言われて、ガイアは少し悲しい気持ちになった。
「ユキもアルフに戻るってことは、ここでお別れだな」
「そうだな」
「短い間だったけど楽しかったわ」
「私もです。ありがとうございました」
少ししんみりした空気になったところで、ガイアがハルに質問をする。
「ハル達はどこに行くんだ?」
「ディール町に行こうと思う」
「私たちもレベル4になったし、ちょうどいいかと思って」
「なるほどですね」
それからしばらくは、4人でたわいもない話をして過ごした。
次の日の朝。宿の前で最後の挨拶をする。4人の横にはウルフ達もいる。
「じゃあ、また会おうな」
「ああ、それまでに女を守れるくらい強くなってろよ」
「ガイアもな」
「ユキも元気でね。ガイアには無理をさせないように」
「もちろん分かってますよ。ルミさんもお元気で」
「うん。ウルフちゃん達も元気でね」
「元気でね!」
「ばいばい!」
挨拶を済ませ、ガイア達はそれぞれの目的地に向けて出発した。
「また、会えますよね」
「会えるさ。それまでにもっと強くなっておこうな」
「そうですね。その前にまず、ダンジョンの問題を片付けないといけませんけどね」
「なるべく急いでアルフに向かおう」
「主?」
「なんだ? シャドウウルフ?」
「はやく移動したいなら、僕らの背中に乗りなよ」
「いいのか?」
「いいよ! ね?」
「ぼくもいいよ!」
「私もいいの?」
「もちろん!」
ガイアとユキはウルフ達の背中に乗り、今までの何倍もの速さで移動できるようになった。
「早いですね」
「今まで4人で行動してたから、乗る機会がなかったな」
「とても気持ちがいいです」
歩いていたら一日以上かかる距離を、ウルフ達のおかげでその日の昼過ぎにはアルフに到着した。
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