新メンバー
数時間後、ルミが目を覚ました。
「……私はなぜこんなところで寝ていたのだろう」
横を見るとハルも同じように寝ている。苦しそうにうなされていた。
そうだ! ダンジョンに入ってすぐに寝てしまったんだ!
原因がわからない以上、ここにい続けるのは危ないはず。急いで帰ろう。
「ハル! 起きて!」
「……ん。あれ、なんで寝てたんだ?」
「急いでここから出るわよ!」
「そんなに焦ってどうしたんだ?」
「いいから!」
ルミの強引な説得により、2人はダンジョンから出ていってしまった。
「いってしまいましたね」
「でも、ポイントはかなり貯めることが出来たな」
あいつらはそこそこ強いのか、5分で1人あたり2pt獲得できる。
ダンジョン内に3時間いたので、144ptも貯めることができた。昨日と合わせると148ptだ。
「大きな進歩ですね」
「とりあえず、水晶で何と交換できるか見てみようか」
ポイント交換
1パック……50pt
1デッキ……500pt
部屋……80pt
部屋拡大……40pt
配置変更……40pt
劣悪な風呂……30pt
劣悪な寝室……30pt
木の宝箱……20pt
鉄の宝箱……50pt
宝箱ってなんだ? ヘルプ聞いてみよう。
ヘルプ
Q.宝箱とは
A.冒険者を誘うために設置するもの。宝箱のランクによって、中の物の強さが変わる。
なるほどな。宝箱で冒険者を呼んでポイントを集めるということか。
まあとりあえず今は、ポイントを使わないでおこう。デッキと交換してみたいし。
そのころ冒険者ギルドでは、ハルとルミが新ダンジョンの報告をしていた。
「トラップか魔物の攻撃か分からないけど、眠らされたんです!」
「……そうかいそうかい。寝る時はちゃんと家で寝るんだぞー」
ギルド職員に報告をしているのだが、笑いを堪えながらルミ達の話を聞いていた。
「信じてませんよね! 本当なんですって!」
「わかってるって。ちゃんと報告書には『冒険者は睡眠障害』って書いとくからよ」
「「「ガハハハハ」」」
ギルドにいる他の冒険者からも笑われ、耐えきれずに外へ出た。
「なんなの!? あの態度!」
ルミはイライラをハルに向けながら歩いていた。
「信じてもらえないなら、俺たちでもっと調査するしかないな」
「そうね。今日もあのダンジョンに行きましょう」
「そうだな」
再びダンジョンに向かおうとした時、後ろから声をかけられた。
「あの、すみません……」
「はい? どうかしました?」
ハルとルミは後ろを向くと、150センチくらいの可愛らしい顔の女の子が立っていた。白髪でショートボブ、歳は同じくらいに見える。
「冒険者ですよね? パーティーに入れてくれませんか?」
「どうして私たちのパーティーに?」
「実は最近ここの町に来たばかりなんですよ。入るパーティーは同い年くらいの人と組みたいなと思いまして」
「なるほどな。俺はいいけどルミはどうする?」
「私もいいわよ。戦力は多い方がいいし」
「本当ですか!? ありがとうございます」
「僕はハル。よろしく」
「私はルミよ。よろしくね」
「ユキっていいます。よろしくお願いします」
自己紹介を終え、これからの予定を話す。
「これから新ダンジョンの調査行くけど、どう?」
「分かりました。行きましょう」
こうして3人は、ダンジョンに向かった。
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