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スタンピード戦

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 まずは黒ローブの女魔術師が、魔物の大群に向けて魔法を放つ。

「【闇穴〈ダークホール〉】」

 その魔法が魔物の中心にいくと、次々に魔物がその魔法に吸い込まれる。やがて、魔法が解けると押しつぶされた魔物の死体が無数に出てきた。

「すごいわね。あの魔法」

「感心してる場合じゃないぞ、ルミ。僕らも戦うんだからな」

「わかってるわよ」

「私も精一杯支援します」

「俺もたくさん倒す!」

「いくぞ!」

 今回のスタンピードは数が多いだけで、強さはそれほどでもない。ランクで言うとCとRのみだ。だから、ガイア達が勝てない相手はいない。

 

「【挑発】!」

 まずはハルが魔物のヘイトを集める。

「ぐっ…」

「【ヒール】!」

 ハルが攻撃を受けるとユキがヒールで回復をさせる。魔物がハルに夢中になっている隙に、ルミが剣術で倒していく。

「魔法が来ます!」

「任せて! 【断魔】!」

 遠くからの魔法攻撃にはガイアが対処する。

「なかなか良い連携だな。若いのに大したもんだ」

 近くで戦っていたスキンヘッドのジェイソンに褒められる。

「ありがとうございます。でも、シャーリーさんの方が倒してますよね?」

「まあ、ギルマスだからな」

 事実としてガイア達は連携しながら20体ほど倒しているが、シャーリーは一人で30体近くもの魔物を倒していた。

「私などまだまだだよ。君たちのウルフや魔術師を見てみな」

 シャーリーに促され、黒ローブの魔術師とウルフを見るとそれぞれ50体近い魔物をそれぞれ倒していた。

「さすがだな、シャドウウルフ、ライトウルフ!」

「主人に褒められた! もっと倒す!」

「ぼくも!」

 シャドウウルフが【影縛り】で数体の魔物の動きを止め、ライトウルフが【電光石火】で倒していく。時間にして30秒。

 黒ローブの魔術師は魔力が尽きることがないのか、永遠に「【闇穴〈ダークホール〉】」を放っている。

 シャーリーはみんなの戦いぶりを見て、援軍はいらなかったと悟った。

読んでいただきありがとうございます!


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