シャーリーのお願い
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「やっと着いたわね」
「少し様子がおかしくないか?」
ガイア達はガーマ村に到着したものの、村の慌ただしさを感じた。
「何かあったのかもしれませんね」
「一度ギルドに行ってみよう」
ガーマ村は人口100人ほどの村だ。ダンジョン近くの場所は発展するものだが、ここは少し例外だ。なぜならガーマダンジョンではあまり魔物や宝が出ないとされているからだ。そのため冒険者が集まらない。
木で作られた家が立ち並び、普段は落ち着いた様子の村だが今は少し騒がしい。
ガイア達はギルドの受付の人に話を聞いた。
「すみません。何かあったんですか?」
「あ、君たち冒険者かい?」
「そうですけど」
「だったら手伝って欲しいことがある! ギルドの2階に人が集まってるから、詳しい話はそこで聞いてくれ」
そう言って受付をしてくれた男性は足早にギルドの奥へ行った。
「とにかく2階に行ってみましょう」
「そうだな」
2階には20人ほどの冒険者が集まっていた。ハルは近くにいた屈強なスキンヘッドの男性に話しかけてみた。
「ここの村で何かあったんですか? 自分達、今きたばかりで何も知らされてないんですけど」
「そうなのか? お前らも運が無いな。こんな時に来るなんて。・・・スタンピードだよ」
「スタンピード!? でも、ここのダンジョンって魔物が少ないって話じゃ」
「そのはずなんだがな。最近は数が増えていたらしい。どっかのギルドでダンジョンの調査依頼が出てたのを知らないか?」
「ありました」
「あれは数が増えていることの調査だったんだが、調査の前にダンジョンから魔物が溢れたらしい」
「そうだったんですか。教えていただきありがとうございます」
「いいってことよ。俺はジェイソン。よろしく」
すると、ギルド職員の扉からギルマスと思われる鎧を着た20代くらいの女の人が出てきた。
「ここに集まってくれてありがとう。私はギルドマスターのシャーリーだ。詳しく話を聞いていないものもいるだろうから、早速話を進める。現在、ガーマダンジョンから魔物が溢れ出しスタンピードが発生している。その数、ざっと1000体」
スタンピードの規模が魔物1000体と聞いた冒険者達が騒ぎ出す。
「そんなにいんのかよ!」
「ここにいる20人くらいじゃ勝てないだろ」
「そんな戦いに参加できるかよ!」
集まった冒険者は言いたいことをシャーリーにぶつける。何人かは話を聞いた途端に部屋を出てしまった。
「お前達の言いたいことはわかる。だが、ガーマの危機なんだ…。何とか協力してもらえないだろうか…。この通りだ」
シャーリーは頭を下げて必死に冒険者にお願いをする。
「俺には無理だ。知らん村より自分の命だからな」
「俺もだ」
「私も」
そう言って、ほとんどの冒険者は部屋を出て行ってしまった。残っているのはガイア達4人とスキンヘッドのジェイソン。あとは黒のローブを着た魔術師の女性だけだった。
「君たちは助けてくれるのか」
シャーリーに聞かれたハルが答える。
「女の人が困ってるのに助けないわけないだろ。それに俺の仲間達も逃げるつもりはないらしいし」
ガイアも逃げるつもりはなかった。たくさんの魔物と戦って力をつけたい思いとスタンピードの原因が知りたかったのだ。
「・・・ありがとう。感謝する。もちろん勝った際にはたくさんの褒美を与える。では、残っているもの達でこれからの作戦を立てよう」
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