優秀な配下
「アークデーモンがいてよかった!」
「いえいえ」
水晶の部屋に集まり、アークデーモンと反省会を行う。
あのとき、アークデーモンのデビル召喚で大量のスモールデビルを召喚した。そいつらに通路を防いでもらうことで、壁に見せた。その中の1匹だけ、ゴブリンリーダーに指示を伝えにいってもらったのだ。
「俺が出ていっていたら、もっと被害が出ていただろう。ありがとな」
「ただ、ゴブリンのことは申し訳ありません」
「俺が甘かったんだ。もっと考えればよかった……」
いくら、カードパックで生み出せるとはいっても倒されてしまうのは嫌だ。
「改めて、部隊編成を考えましょう」
「……いや、あまり戦わないようにしよう」
「と、いいますと?」
「長い間、ダンジョン内に留まってもらわないとポイントが貯まらないんだ。戦っちゃうとみんなが危ない目に遭うし、滞在時間も少なくなってしまう」
「ちなみに、どれほど貯まったのですか?」
「……4pt」
「それは、少ないですね」
「そうなんだ。【カードパック】を使えるようにならないと、戦力補強もできないしね」
しばらく2人で考えたが、ポイントがない間は出来ることがあまり無い。
結局、アークデーモンに頼ることにした。
次の日も、ハル・ルミの2人が現れた。
「やっぱり昨日はおかしかったわよ!」
「そんなことないと思うけどな」
「とにかく行くわよ!」
「あんまり前に出過ぎるなよ。危ないから」
「はいはい」
2人がダンジョンに入ってくる様子を、ガイアとアークデーモンはこっそり見ていた。
「昨日と同じやつらだな。任せたぞ」
「かしこまりました。それでは、行ってまいります」
そういって、アークデーモンは2人の死角から魔法を放った。
「悪夢!」
黒い霧のようなものが2人に飛んで行った。
「なんだ? いきなり、眠くなってきたぞ……」
「私も……。何これ……」
2人は魔法によって眠らされ、しばらく起きることはない。寝ている間は悪夢を見せられているため、うめき声が口から漏れている。
「よくやった! アークデーモン!」
「これで、長時間ダンジョン内に留めることが出来ます」
「よし! どれだけポイントが貯まるか楽しみだ!」
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