フリシアの帰還
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フリシアは少し裕福な家庭に生まれた。そのため教育を十分に受けることができ、すくすくと育っていた。しかし10歳のある日、そんなしあわせな日常は消え去る。
父と母、そしてフリシアが馬車で移動していると大量のゴブリンに襲われたのだ。護衛に何人かの冒険者がいたが、すぐに倒されしまった。
「……フリシア。大丈夫だよ。今、お父さんがやっつけてくるから」
「あなた……」
「お父さん、死んじゃいやだよ!」
「これでも昔は冒険者をやっていたんだよ。だから魔物達を倒すまで、ここでお母さんと待っていられるかい」
「……」
フリシアは10歳にして今がどれほど危険な状況にあるのか理解していた。馬車に隠れていても無駄だと言うことも。
フリシアの父は倒れた冒険者の武器を拾い、ゴブリンに向かっていった。
その後すぐ馬車を強く叩く音がした。ゴブリンが棍棒で破壊しようとしているのだ。
母は震えるフリシアを優しく抱きしめ、語りかける。
「……大丈夫よフリシア。きっと助かるからね」
フリシアは恐怖から言葉を発することはできなかったが、少しリラックスできた。
しばらくするとゴブリンの声や棍棒で叩く音が聞こえなくなっていった。外の様子を見ようとしたが、ゴブリンが何度も扉を叩いたために歪んだことで開かなくなってしまった。
お母さんと悩んでいると人の声が聞こえるようになってきた。
「誰かいるかー! いたら返事をしてくれ!」
「やっぱりもう全滅したんじゃ…」
フリシアの母もその声が聞こえたのか、大声を出した。
「ここにいます! 馬車の中です! 助けてください!」
「ソロスさん! 声がします!」
「俺も聞こえた! 一緒に開けるぞ」
「「せーの!」」
2人によって扉は開かれ、無事にフリシアと母は助かった。
ダンジョンから逃げ、町に向かって必死に走った。
「ソロスさん…ギャリオスさん…みんな…」
空が明るみ始めた頃、フリシアは町の入り口に到着。そこにはミッドが立っており安心したからかフリシアはその場で倒れてしまった。
ミッドはフリシアが戻ってきたことに安堵するも、他の人が戻ってきていないことに気がつくと険しい顔になった。
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