撃滅部隊
前話の内容を少し変えたので、読んでいない方は戻ってください。
前話までの中でグリフォンがフェンリルとなっていたので訂正しました。
フェンリル→グリフォン
ご指摘ありがとうございました!
ベッタのダンジョンから、ガイアは水晶の機能でアークデーモンに連絡を取っていた。
「いかがなさいましたか。マスター」
「アークデーモンを正式なダンジョン管理者にしようと思ってな」
「それは本当ですか! 大変光栄です」
「そのためには名前をつける必要があるんだって」
「名前! 私に付けてくださるのですか!」
アークデーモンは名前を付けてくれるという事に、とても喜んでいた。
「そんなに嬉しいものなのか?」
「もちろんでございます。名前をいただくことが、マスターに認めてもらえた証になるのですから」
こんな喜ばれるなら、もっと早くから名付けをすればよかったかな。でも、全員に付けるのは大変だから管理者を任せるときだけにしよう。
とりあえず、アークデーモンに名をつけてあげよう。
「それではアークデーモンに名を授ける」
「はい……」
「お前の名は『タルタロス』」
「……それが、私の名」
「アルフのダンジョン管理を正式に任せる」
「ありがとうございます」
「ポイントは自由に使っていいからね」
「かしこまりました」
ガイアはしばらくタルタロスと雑談したのち、通信を切った。
「じゃあ、ウーラノスも元気でな」
「マスターもな」
「死んじゃダメだよ」
「俺を誰だと思っている」
「何かあったら通信してくれよ」
「……」
「無理はし……」
「あーーもう! うるさいわ! 早く行け!」
「……そうだな。お前なら心配ないか」
「当たり前だ」
「じゃあな、ウーラノス」
「またな」
ガイアはお別れを告げ、町に戻っていった。
町に戻る頃には夕方になっていた。
他の3人と2匹はすでに宿にいたため、みんなで食堂に行き晩御飯を食べることにした。
「みんなは何してたんだ?」
「一緒にクエストを受けてたわ。ウルフちゃん達のおかげで楽勝よ」
「やっぱシャドウウルフとライトウルフは強いな」
「主! 褒められたよ!」
「褒められた!」
「活躍できてよかったな」
そういってガイアはウルフ達を撫でていると、ハルから質問をされた。
「ところでテイムしたグリフォンはどうしたんだ」
「あっ!・・・えっと・・・」
「どうしたんだ? なんかあったのか?」
「に、逃げられた!」
「逃げられた!?」
「そ、そうなんだよ! タイムしてたと思ったら出来てなくてさ!」
「怪しいな・・・」
ハルが疑いの目をガイアに向けていると、ユキが今日聞いた話を共有する。
「そういえばギルドで聞いた噂なんですけど、本部で撃滅部隊が編成されてるらしいですよ」
「撃滅部隊ってなんだ?」
「今後、討伐不可能になるほど強くなると予想されるダンジョンの管理者を倒す部隊のことよ」
「優秀な本部職員とか冒険者とかが呼ばれるんだよ。俺も呼ばれたいな」
「あんたにはまだ早いわよ」
撃滅部隊が存在しているのには訳がある。
冒険者ギルドは魔物は全て討伐するべきと考えているが、一度倒してもまた新たな管理者が生まれてしまう。だから、弱い管理者のうちは放置しておこうという方針なのだ。
しかし、そうではない管理者が生まれてしまうと、討伐したくても出来ないという状況になってしまう。あの三大迷宮のように……。
「それでその撃滅部隊はどこのダンジョンに行くんだ?」
「アルフのダンジョンですよ」
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