はじめての戦い
男女2人のパーティーか。第一部隊で勝てるかな?陰から覗きに行こ。
ガイアはアークデーモンを連れて、第一部隊のいる部屋で隠れていた。
「お、来たな!」
「わざわざマスターが見なくてもいいと思いますが」
「いいの! 大事な初戦だからね」
「……はあ」
アークデーモンと話していると、冒険者がやって来た。
「ゴブリンがいるわ!」
「ルミは下がってるんだ!」
「そんなこと、聞くわけないでしょ!」
ルミという女は剣を持ち、1人で1体のゴブリンに向かっていく。
ゴブリンは棍棒を持っているが、鉄で出来た剣に対抗できるほど強くはない。
「はあ!」
「ゴブ! ブ……」
だから、あっさり殺されてしまった。
陰から見ていたガイアは、子ども殺された親のように怒っていた。
「ゴブリン!! そんな……。あの女、許さないぞ!! ゴブリンの仇を討ってやる!」
今にも女に向かって飛び出していきそうなガイアであったが、腕を掴まれ動けなかった。
「アークデーモン! 俺を止めるな! 俺にはやらなければならないことがある!」
「だめです」
「なぜだ!」
「マスターが行っても殺されるだけです。なんの力もないでしょう」
ガイアはダンジョン管理者ではあるが、対人に強い訳はなかった。
「うぐ……。じゃ、じゃあアークデーモンが倒してきてよ!」
「それならば可能でしょうがお勧めしません」
「どうしてだ!?」
「ここで、あの人間を殺してしまうとこのダンジョンに強い人が送られてくる可能性があります。そうなれば、被害はゴブリン1体では収まらないでしょう」
「確かにそうだな。じゃあどうする?」
「それはですね……」
ルミは不思議に思った。
ゴブリンを1体倒すとスモールデビルが現れたのだ。このスモールデビルがゴブリンリーダーと思われる魔物のところに行くと、一目散に逃げていったのだ。それに続いて普通のゴブリンも逃げていった。
「ハルはどう思う? 今の行動」
「ルミが強すぎて逃げたんじゃないか?」
「そうは見えなかったけど……」
「この先に入れそうなところもないし、今日のところは引き上げようか」
「? ……そうね」
ゴブリンたちはどこから逃げたのだろうか。
ルミは違和感を持ちつつ、ハルと共に帰るのだった。
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