表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/140

深夜の訪問者

ブックマーク登録をお願いします!

 アルフのダンジョンにて、アークデーモンは監視ルームからダンジョンの様子を見ていた。

「こんな時間にお客様ですか」

 外ではとっくに日は沈んでおり、その人以外にダンジョンを訪れる者はいない。

「警戒しておきましょう」


 アークデーモンは演習場1にてそいつを待った。

「お前が管理者か?」

「いえ。私はマスターより一時的に管理を任されているものでございます。して、このような時間に何用でしょうか。まさか、模擬戦とは言いませんよね」

「まあ、そうだな。面白そうだとは思うが、遠慮しておこう」

「では何をしにいらしたのですか?」

「……討伐だよ」

「なんと。冗談でしたら笑えませんね」

「冗談なんか言うわけないだろ。俺の名はソロス。ギルド本部より討伐を任された者だ」

「そうですか……。では、最大戦力をもってあなたを排除しましょう」

 アークデーモンの合図により魔法陣から魔物が現れる。

「スライムにスケルトン、ガーゴイル、ヤングトレント、ウルフいっぱい居るな」

「皆のもの! あの男を排除しなさい!」

「こんな雑魚ども、数を揃えても仕方ないぞ!」

 男は大槌を振りかぶり、魔物を吹っ飛ばす。

「ガゴ……」

「トレ……ン」


 ひとりでこのダンジョンに来るだけありますね。……強い。

「まだまだいくぞ! 【巨大化】!」

 男は魔法を使うと、身体と武器が巨大になり5メートルほどの大男になった。

「おらぁ!」

 大男は大槌を振り下ろすと、地面に大きなクレーターができる。

「スケ……」

「スラ……」

「ウォン……」


 これは出し惜しみしている場合ではありませんね。

 

 再びアークデーモンは合図を送り、魔法陣から魔物が出てくる。

「おいおい……。出来たばっかのダンジョンじゃなかったか。……これは俺にもちょっときついぞ」

 現れたのはオーク、トレント、ゴーレム、エルダートレント、エイシェントトレント、キラーアントクイーンだ。

「キラーアントクイーン。大変な時に申し訳ないですが、力を貸してください」

「仕方がありませんね。子供達のためにも勝たなくてはいけませんから」

「感謝いたします。私も参戦しましょうか」

 アークデーモンはそういうと【人化】を解き、本来の姿になる。

「マジかよ……。お前、アークデーモンだったのか。それはさすがに俺だけじゃ無理だ……。一旦引くか」

「逃さんぞ!【地殻変動】!」

「これしき!【空歩】【瞬歩】」

 男は魔法により、空中を素早い動きで走っていく。

 

 流石に追いつけないですか……。一応スモールデビルを付けておきましょう



「ここまで来れば大丈夫か……」

 ソロスはすでに、アルフの町近くに逃げていた。

 魔法を連続で使い続けたため、かなりの疲労が溜まっている。

「それにしてもあの数は無理だ……」

 ソロスはギルド職員だが元冒険者でもある。冒険者レベル7もあるため、かなりの力を持っている。魔物のランクでいえばSSRと同じくらいの強さだ。

 だから、ダンジョン内で魔物ランクSSR1体とであればいい勝負が出来る。しかし複数体には対抗出来ないのだ。


 バサバサ……。


「なんだ? ……まあ、早く戻ろう」


 ソロスは足早にギルドへ戻り、ミッドに話をする。

「そんなに強いのですか……」

「ああ。ダンジョンの階級を見直す必要がある」

 ダンジョンの階級は下級・中級・上級が基本とされているが、それより上位のダンジョンも確認されている。

「ソロス様は本部に戻られるのですか?」

「そうだな。報告のためにも、戻らねばならないだろう。ダンジョンの動きには注意しておくんだぞ」

「わかりました」



「スモールバットには気が付いていないようですね」

 アークデーモンは水晶の部屋に来ていた。水晶を見ると、いつもと違う色をしていた。

「なんでしょうか」

 水晶に手をかざすと、通信履歴が残っていた。


通信履歴

ベッタダンジョンからの不在着信あり。返信しますか?


はい。


ーー通信要請中……。


ーー通信要請中……。


ーー通信承諾。


「おっ! やっと繋がった。アークデーモンか?」

「なんと! マスターですか?」

「そうそう。それでダンジョンの方は大丈夫か?」

「それが……」

 アークデーモンは、先程起こったことについて説明をした。

「そんなことが……。守ってあげられなくてごめんな」

「いえいえ! 私の采配ミスでございます。管理を任された身でありながら、このような結果になってしまいました。申し訳ありません」

「……全滅しなかっただけマシとしよう」

 通話越しにマスターが悲しんでいるのがわかる。

「ありがとうございます。ただいま、襲ってきた男にスモールデビルを付けております」

「……そうか。次に何をしてくるかわかるか?」

「ギルド本部に戻り、強い冒険者や本部職員を連れてくるかと思われます」

「再び襲ってくると……。やはり戻った方がいいか?」

「いえ、すぐには襲ってこないと思われますので大丈夫かと。何か動きがあればマスターにお知らせいたします」

「そうしてくれると助かる。じゃあ引き続きダンジョン管理を任せる」

「かしこまりました」

 そこでマスターとの通信が切れた。


 マスターに頼ってはいけない。

 何か対策を考えなくては……。

読んでいただきありがとうございます!


下にある評価★★★★★をしていただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ