ベッタダンジョン
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ガイアの頭の中に直接声が届いていた。
「どうしてフューリの声が聞こえるんだ?」
「緊急事態の特別措置だよ!」
「緊急事態?」
「なんでダンジョンからいなくなってるのよ! ポイントはどうするつもり!?」
ダンジョンに人が来るたびにポイントを獲得することは出来るが、水晶を通してでないとポイント交換をすることは出来ない。
「しばらくは冒険に出て、自分を強くしようと思ってね」
「それじゃあ私にポイントが送られないのよ!」
神にとってポイントというのはお金と同じである。それが入らないということは、収入が0ということだ。
「知らないよ。てゆうか、他にもダンジョン管理者いるならポイントもらえるだろ」
「そうだけど……少しでも多い方がいいに決まってるでしょ!」
「……」
「とにかく! 早くダンジョンに戻りなさいよ!」
「嫌だ。俺は強くなりたいんだ」
「強い魔物をカードパックで当てればいいのよ!」
「嫌だ。俺が強くなりたいんだ」
「あーー! もういい!」
ーープログラム受信中ーープログラム受信中ーー
何かが頭の中に流れてくる。
「何をしてるんだ?」
ーープログラム受信完了ーー
「よし出来た! これで水晶の機能を水晶無しで出来るようになったぞ!」
「それはすごいな。ありがたい」
「じゃあ借金10000ptよろしくね。ばいばい!」
……は?
次の日、みんなでダンジョンに向かった。
ダンジョンには特徴はあまりなく、出てくる魔物はそこまで強くない。遭遇頻度も低いため、見習い冒険者にはぴったりだ。
この町の近くにはそのダンジョンしかないため『ベッタダンジョン』と呼ばれており、下級ダンジョンだ。
「ここだな」
「前と同じ配置でいくわよ」
「よし」
「頑張りましょう」
「おー!」
「おー!」
ダンジョンには核と呼ばれる物と管理者と呼ばれる者がいる。核は水晶、管理者は俺のような者だ。ただ、管理者は人や魔物などさまざまだ。
水晶を壊すと一定時間ダンジョンの機能が停止し魔物が現れることがなくなる。
ダンジョン管理者が死んでしまうと、次のダンジョン管理者が現れるまで野良のダンジョンへと変化する。野良のダンジョンは自動的に宝箱や魔物が現れるようになる。
「トロール2体が接近中!」
「【挑発】!」
「【影縛り】!」
「【渾身の一撃】!」
「【咆哮】!」
「「ト……ロー……」」
4人は連携をすることで、スムーズに狩りを進めることが出来た。
ベッタダンジョン奥地にて、1体の魔物がいた。
誰だ、この侵入者は。ただの冒険者ではないようだが……。
むしろ俺と同じ感じがする……。
前に来たやつとは違うようだが、倒しておいた方がいいだろう。
そう考え、その魔物は戦いの準備を始めるのだった。
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