部隊編成
アークデーモンによる部隊編成の結果、3部隊に分かれることになった。
入り口に最も近い部屋にはゴブリンリーダー・ゴブリン×2の第一部隊を配置。入り口から2番目に近い部屋にはオーク・トレント・コボルトの第二部隊を配置。スケルトン・ガーゴイル×2・スライムは、ダンジョン内を見回る第三部隊だ。
水晶の置いてある部屋には、俺とアークデーモンがいる。ちなみに、水晶が破壊されるとどうなるかというと……
ヘルプ
Q.水晶が破壊されると?
A.水晶の修復に1週間かかるため、その間ポイントを獲得したりダンジョンの機能を使ったりすることができなくなる。
ということだ。だから、水晶は守る必要があるためアークデーモンにいてもらっている。
「この部隊配置でいいと思うよ。さすがアークデーモンだね!」
「もったいないお言葉。ありがとうございます」
「せっかくだから、視察でも行こうか」
僕とアークデーモンは、まず第二部隊のところへ向かった。
「オーク達、調子はどうだい?」
「ブホッ!」
「……まあ、元気ということだろう。そういえば、アークデーモン以外に話せるやつはいないの?」
「そうですね。基本的に魔物ランクSR以上でないと意思疎通は図れないと言われております」
「そうなのか。じゃあ、オーク達には難しいか」
次に、第一部隊の部屋に向かった。
するとそこでは、ゴブリンリーダーを筆頭に筋トレをしていた。
「励んでいるな。いいことだ」
「! ゴブ! ゴブ!」
ゴブリンってもっと汚らしいイメージだったけど、目がくりくりしてて小さいから可愛く見えちゃうんだよな。
第三部隊とは、すれ違ったりしたが見かけたりしたがサボらずによく働いていた。
「感心。感心」
「アークデーモンも、引き続き頑張っておくれ」
「はい」
そういえば、こいつってどのくらい強いんだろう。【鑑定】で見てみるか。
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ランク:SSR
種族:アークデーモン
名前:
スキル:【槍術】【身体強化】【自己再生】【超回復】【人化】【デビル召喚】【悪夢】【混沌砲】
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……強そう。
少なくとも俺は瞬殺だな。怒らせないようにしよう。……うん。
アークデーモンの強さに感心していると、第三部隊のガーゴイルがやってきた。
「ガゴ! ガー!」
アークデーモンはガーゴイルの言っていることがわかるらしい。
「わかった。注意しろ」
「何かあったのか?」
「冒険者です。ダンジョンに入ってきたようです」
「おー! 初のダンジョン防衛戦だ! 頑張ろう!」
「はい」
時間は少し遡り、今日の朝。場所は小さな町の冒険者ギルド。
とある男女2人の冒険者がクエストを選んでいた。
「どのクエストがいいかな? ハルはどう思う?」
「うーん。薬草集めは物足りないけど、討伐系はルミに危険があるかも知れないし……」
「私なら大丈夫よ! あんた過保護すぎるわ!」
「もしものことがあったら、僕は自殺する!」
「いや! そこまでしなくていいから! ほらクエスト選ぶよ」
ハルとルミは、同じ村で育った幼なじみで2人とも18歳である。
ハルは親から『女の子は何があっても守りなさい』と、小さい時から教わってきた。そのため、ルミに対してこんな過保護になってしまったのだ。
ルミはというと『人に頼るな』と教わってきたため、ハルに守られることはあまり好きではない。
そんな対称的な2人だが、幼なじみということもありとても仲が良い。
「あ、このクエストどうかな?」
「新ダンジョンの調査か。出来たばかりのダンジョンは、比較的弱いらしいしな。いいんじゃないか?」
「よし! じゃあこれにしよう!」
こうして、ハルとルミはガイアのダンジョンに向かうのだった。
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