ベッタダンジョン4
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激しい戦闘が行われていたが、ミフロスは気にせずに黙々と作業を進めていた。
「ガイアだったかな? 仲間はもういなくなったけど、どうする? 君も一緒に来るかい? まあ、こき使うけどね」
「・・・許さない!」
ガイアは剣を取り出し、【炎付与】をする。
「リゼ」
「はい。【風縛】!」
「ぐっ・・・! 離せ!」
リゼの魔法によって、ガイアは身動きを取ることができなくなった。
「その感じだと、僕のところには来ないか。だからといって君を殺したりはしないさ。こんな強い魔物をたくさん生み出してくれるからね」
「お前・・・! みんなをどうするつもりなんだ!」
「僕は強い魔物を集めることが好きなんだよ。なんなら世界中の魔物を僕のものにしたいな!」
「だからって、俺の仲間を傷つけることは許さない・・・!」
ガイアはミフロスと話すたび、益々怒りが増していた。
「滅多なことがないと殺さないよ。そこにいるグリフォンみたいになることは稀ってこと」
「・・・くそっ!」
ウーラノスは辛うじて息が続いているかなり危ない状況だ。今すぐにでも手当てをしなくては、本当に命を落としてしまう。しかし、その術をガイアは持っていなかった。
「そのグリフォンはもうダメだね。僕にも手当て出来ない。そんな力は持ってないからさ」
「クソォォ!! 早くこれを解けぇ!」
「うるさいな・・・。リゼ、もう少し痛みを与えて」
「分かりました。坊ちゃんも意地悪ですね」
「そんなつもりはないんだけどねー」
「だから友達がいないんですよ?」
「余計なお世話だよ! ほら早く!」
「はいはい。【風圧迫】」
「ぐあぁ・・・!!」
ガイアは風圧によって息をすることが苦しくなった。そのため、声を発することができなくなっていた。
ミフロスは順調に【魔物支配】を進めており、残すはハイクイックラビットだけになった。
頭に手を乗せ、スキルを使った。
「これで終わりだね」
「お疲れ様でした」
ガイアの頭にはガーマダンジョンとオメガダンジョンからの通信要請が来ていた。
しかしそれすら対応できないほど、ミフロスに対する怒りと自分の力無さによる絶望が頭で渦巻いていた。
「よし、じゃあみんな起きて!」
ミフロスの合図によって、今まで気絶していた魔物達が起き上がった。
「!?」
しかし心ここに在らずといった様相で、目に光がなかった。
「これからゆっくり僕のものになればいいさ。じゃあ、家まで歩いてー」
「・・・クッ!!」
相変わらずガイアは動くことができず、声を出すのもやっとだ。
魔物達はミフロスの指示に従ってダンジョンの外に向かって歩き始めてしまった。
しかしなぜか先頭を歩いていたハイクイックラビットが立ち止まった。
「なんだ?」
「坊ちゃん、誰か入ってきたようです」
その者たちを見たガイアは喜びの表情に変わった。声を出して喜びたいが、リゼによって好きなように言えない。その代わりに目から涙が溢れ出した。
「マスター! 帰ってきましたぞ!」
そこにはかつてアルフダンジョンから、強くなってくると言って旅立ったゴブリン達がいたのだ。
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