ベッタダンジョン3
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いくら疲れていたとはいえ、流石のガイアもダンジョンの騒がしさで目を覚ました。
「もしかして!」
ガイアは飛び起き、走ってダンジョンの部屋に行く。
「これは・・・!?」
そこには、倒れたパワフルラビットやドワーフ達。知らない子供と女。ボロボロ姿のウーラノスとハイクイックラビット。そして、今まで感じたことのないプレッシャーを放つ頭が二つの魔物。
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ランク:UR+
種族:牛頭鬼馬頭鬼
名前:ゴズ(右頭)、メズ(左頭)
スキル:【身体超強化】【狂気化】【分裂】【瞬歩】【空歩】【斧術・達人】【断魔】【並列思考】【獄炎付与】【獄界】【獄卒流乱舞】
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「UR+・・・?!」
初めて見るランクに驚き、疑問に思ったがミフロスに話しかけられたので思考を中断する。
「あ、君がマスターかな?」
「・・・これは、どういうことだ」
「ここにいる魔物を僕のものにしようと思ってさ!」
「何だと・・・」
ウーラノスとハイクイックラビットは戦いに必死で、ガイアが起きてきたことを知らない。
「同時に攻撃するぞ!」
「はいっちゃ!」
「「来い」」
「【咆哮】!」
「【光速移動】!」
「「【断魔】」」
ウーラノス達の攻撃は牛頭鬼馬頭鬼の斧によって、防がれた。
「次行くぞ!【雷嵐】」
「【分身】【光速移動】っちゃ!」
「「【断魔】」」
またしても防がれた。ウーラノス達は何度も攻撃を仕掛けているが、なかなか攻撃を与えることができていなかった。
実はウーラノスの【傲慢】のスキルが切れているためだ。相手のことを格下に思えず、威力が上がらない。
「「私の番かな。【獄炎付与】」」
持っていた斧が赤黒い炎を出し始めた。
「「お前からだ」」
「っちゃ!?」
「やめろ!!」
牛頭鬼馬頭鬼は【瞬歩】でハイクイックラビットを倒しに向かった。
ハイクイックラビットでも反応ができずに、攻撃を受けるところだった。
しかしその斧はハイクイックラビットには当たらなかった。
「ウーラノス!」
見ていたガイアが叫び声を上げた。
「ガハッ!」
ウーラノスがハイクイックラビットを庇ったのだ。
かなり深くまで傷がつき、【超回復】と【自己再生】でも回復が追いつかない。
「そんな! オイラなんか庇うなっちゃ!」
「・・・俺はここの管理を任された。・・・お前らを守ることも含めてな」
「しゃべっちゃダメっちゃ! 今は休むっちゃ!」
「・・・ああ」
横たわるウーラノスの元にガイアも駆けつける。
「大丈夫か!」
「・・・大丈夫だ」
「あーあ。傷つけすぎだよー。このままじゃ死んじゃうじゃないか」
「「すまない」」
ミフロスの言う通り、このままではウーラノスは力尽きてしまう。
もともとハイクイックラビットを気絶させるための攻撃だった。しかし、予想外の場所からウーラノスが庇ったため傷が深くなってしまったのだ。
「せっかくグリフォンを僕のものにできると思ったのに・・・。次からは気をつけてよ?」
「「あのウサギはちゃんと気絶させる」」
ハイクイックラビットは怒りに満ちていた。
それは、自分が弱かったこと。ウーラノスに庇われたこと。敵から舐められていること。理由なら沢山ある。
そしてウーラノスからは使うなと言われていた【狂気化】を使う。
「・・・許さないっちゃ!!」
「「なぜ今まで使わなかった。だが、その程度では止められんよ?」」
ハイクイックラビットは縦横無尽に駆け回り、ソニックブームを生み出した。【分身】もしたため、さらに多くの衝撃波が生まれている。もちろんガイアのことなど考えていない。
牛頭鬼馬頭鬼は衝撃を体に受けてもあまり気にしていなかった。ほとんどダメージが入っていないからだ。
「「終わりだ。【獄界】」」
すると赤黒い炎の柱がいくつも立ち、牛頭鬼馬頭鬼とハイクイックラビットを囲む。中に入ってしまったハイクイックラビットは外に出ることはできなかった。
「ハイクイックラビット!」
ガイアが必死に叫ぶが、ハイクイックラビットには聞こえていなかった。
そして炎の柱が徐々に狭まり、逃げ場がなくなった。
「「ちゃんと気絶させる」」
「!!?」
「やめろぉー!!!」
牛頭鬼馬頭鬼は斧を振り下ろし、ハイクイックラビットを叩き落とした。
強い衝撃を受けたハイクイックラビットは、牛頭鬼馬頭鬼の思惑通り気絶した。
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