初の模擬戦
ハル達が演習場に着くと、あの不思議な雰囲気の人だけが立っていた。
「ここで模擬戦をやるって言ってなかったか? 相手は誰だ?」
「ご安心ください。 もう間もなく到着しますので」
すると突然、青く輝く魔法陣が浮かび上がり、そこから数体の魔物が現れた。
「今回戦っていただくのは、スケルトン2体・ガーゴイル2体です」
「そのくらい僕ひとりで十分だ。ルミとユキは危ないから下がっているんだ」
「何言ってんのよ。一緒に戦うの」
「私もサポートします」
「準備はよろしいですか? それでは模擬戦のルールを説明します」
模擬戦のルール
1.殺してはならない
2.審判の言うことに従う
3.ルールを守れなかった場合、罰を与える
「模擬戦の後、戦闘についてのアドバイスをさせていただきますのでそのつもりで。それでは、開始します」
模擬戦闘、開始!
まず1体のガーゴイルが、魔法で拳大の石の粒を飛ばしてきた。
それをハルが盾で防ぐ。
「俺が2人を守る!」
その間にスケルトン2体を抑えるべく、ルミが剣で戦う。
1体ずつなら楽に勝てるのに、2体同時は厳しいわ。
「もう1体のガーゴイルに注意してください! 魔法を放ってきます!」
ユキが注意を促すが、2人は戦闘に必死になりすぎて全く耳に入っていなかった。そのため、ハルの足に石の粒が飛んできていることに気がつかなかった。
「痛っ!」
ハルの足に当たり、痛さから立つことができなくなってしまった。
ガーゴイルの魔法を止める人がいなくなったため、石の粒がユキに向かって飛んでいく。
「キャ!」
「ユキ!」
ルミは今になって、この状況を理解した。
ハルにユキを守って欲しいけど、怪我しちゃってる。ユキに【ヒール】をかけてもらうのもできないだろう。
もっと速やかにスケルトンを戦闘不能に出来ていれば……。
ルミが4体同時に相手できるはずもなく、攻撃を受けてしまった。
「やられた!」
模擬戦闘、終了!
「それでは反省を行います」
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