フェニックスVSグレット
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フェニックスはキャロルをフリシアの隣に投げ捨てた。その後、【灼熱地獄】を使いフリシアの氷が瞬く間に溶かしていく。
「何!?」
フリシアの半径2メートル以外はフェニックスの炎によって氷が溶けてしまった。オリジンヴァンパイアを凍らせていたものまで溶けたので、ガイアの隣に少しずつ蝙蝠が集まって来る。
「大丈夫か? オリジンヴァンパイア」
「・・・大丈夫。まさか、あんな小娘に負けるとはね」
「今はフェニックスが戦ってくれてるから、少し休むんだ」
近くにいたハイヒールスライムがオリジンヴァンパイアに【ハイヒール】を使う。
「心強い仲間達だね」
「ああ、全くだ」
フェニックスと戦っているフリシアとキャロルに異変が起き始める。
「がはっ!」
「ゴホッ…」
2人とも口から血を吐き出したのだ。【強制解放】によって体が悲鳴を上げており、限界が近かった。
「フリシアさん! キャロルさん! ・・・このままだと2人がもたない。フェニックス!」
「…?」
「早くグレットを倒してくれ!」
「・・・わかった。・・・【炎矢】」
先程は5本の矢だったが今回は100本もの矢が生み出された。
「そ、その数は何だ!」
グレットは矢の数に驚く。グレットの勝ちパターンは【瞬間移動】をして相手を斬るというものだが、矢が多すぎて移動できる場所がないのだ。
「・・・発射」
「やめろ!」
一斉にグレットに向けて矢が発射される。それを出来るだけ剣で斬るが、全てに対処できるわけではないため10本ほどの矢が体に突き刺さっていた。
「があぁぁ!」
それぞれの矢は高温のため、突き刺さった部分が焼けていた。
「・・・まだ倒れないんだ。しぶといね。まあ、これで終わりだけど…」
「・・・見、見逃してくれ! こんな所で終わるわけには行かないんだよ! 俺が全てを手に入れるんだ…。だから!」
「・・・うるさい。【火炎球】」
フェニックスの頭上に直径10メートルほどの巨大な炎の塊が作られる。
「や、やめろ…。やめてくれぇ!」
その大きな炎の塊がグレットに向けて飛んでいく。到達よりも早く、オリジンヴァンパイアは移動してグレットの近くにいるユキ、フリシア、キャロルを救出した。
そしてついに…。
「クソォオおお!!!」
炎が消えた後、グレットは灰すら残らず消滅していた。
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