ケイティスとサラ4
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「サラ! サラ!」
さらに意識は全くなく、脈も感じられなかった。
「そんな…。サラ…」
ケイティスは急いでサラを抱えて街に向かう。
「はあ…。はあ…」
ケイティスはヒュドラとの戦闘で溜まった疲労と状態異常毒の影響で体力がかなり落ちていた。それでも愛するサラのために必死に街へ運ぶ。
「絶対助けるからな…。あと少しで森も抜けるぞ…」
少しずつ毒霧が晴れて視界が良くなってくる。サラの顔を見ると、真っ青になっていた。
「・・・急がなきゃ」
ケイティスが顔を上げ、もう一踏ん張りしようとした時自分の腹に違和感を感じた。
「!?」
意識がなかったサラがケイティスの腹に剣を突き刺していたのだ。
「ど、どうして…」
ケイティスは地面に膝をつき、お腹を抱える。
「これで英雄は死んだも同然だな」
「お前!」
そこにいたのはサラではなく、ガズだった。
「どうしてって顔してるな」
「…」
「せっかくだから教えてやろう。俺らガズザズ兄弟は幻術が得意なんだよ。だから女の姿になって隙を窺っていたってわけさ」
「…おまえ。・・・許さない。サラになりすますなんて…」
「そんな体で何ができるというんだ」
「・・・【身体超強化】【爆発付与】・・・【飛斬】!」
「な!」
ケイティスは怒りからヒュドラのことは気にせず、全力で【爆発付与】した【飛斬】を何発も繰り出す。
「必ず倒す…。ガハッ…」
しかし、ケイティスの体も限界が近く口から血を吐きながら攻撃をしている。
「くそっ! そんな力が残っているなんて!」
「はあぁ!」
ガズは【断魔】で対抗しようとするが、切った瞬間に爆発してしまい成す術がなかった。
「がぁあ!!」
「はぁぁあ!」
何発も攻撃を受けたガズは、そのまま力尽きてしまった。
「はあ…。はあ…。サラ…」
ケイティスは体力の限界で倒れそうになるが、サラが心配になり力を振り絞って再び森の奥へと進んでいく。すると、森の奥から振動が聞こえ、その音が徐々に近づいてくる。
「気づかれたか…」
「ギュウオォー!」
目を向けると、そこにはケイティスが先ほどまで戦っていたヒュドラがいた。
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