ケイティスとサラ3
ぜひブックマーク登録をお願いいたします!
ガズ、ザズの存在に気づいたサラは護身用の短剣を構える。
「・・・お前たち、英雄と呼ばれているケイティスとサラだろう」
「高い装備や金を全て置いていきな。そうすれば悪いようにはしないさ」
「渡すわけないでしょう…。これは仲間と一緒に手に入れた大切なものばかりですから」
「そうか。では力ずくてやらせてもらう」
ガズ、ザズは双剣でサラに迫り、攻撃を繰り出す。
「・・・早い!」
いくつかの攻撃は防いでいるが、少しずつサラの体に傷が増えていく。
「まだまだいくぞ」
「早く死ね!」
「くっ…」
何度も攻撃を受けたサラはついに地面に膝をついた。
「はあはあ…」
「なかなかしぶといな」
「とどめを刺すか」
ガズ、ザズがゆっくりとさらに近づいているとき、空から声が聞こえた。
「・・・何をしている」
「戻ってきちゃったか」
「まずいな」
「ケイティス!」
ケイティスはサラの横に降り立ち、声をかける。
「大丈夫か? サラ」
「なんとかね…」
「誰なんだ、あいつらは」
「盗賊よ…。私たちの持ち物を狙っているみたい…」
「そうか。ちょっと待っててくれ。すぐに倒してくるから」
「ありがとう。【聖域】の中に入ったから毒は大丈夫だと思うけど、【ヒール】もかけておくね」
「サラもしんどいだろうに。ありがとう。じゃあ行ってくる」
ヒュドラは少し遠い位置にいるため、ケイティス達の居場所は分かっていない。そのため、ケイティスは盗賊に集中できる。
「【飛斬】!」
「【断魔】」
ケイティスは何発も【飛斬】を放つが、【断魔】によって全て防がれる。
くそ…。ここで【爆発付与】を使うとヒュドラに気づかれる可能性が高い。力で押すしかないな。
「英雄というのもその程度か」
「俺らの力を見せてやる。【毒霧】」
ただでさえ毒霧で視界はあまり良くなかったのに、さらに視界が悪くなる。ケイティスは1メートル先も見えなくなっていた。
「見えない…。・・・ゴホッ」
毒の強さも上がっているため、先ほどより早く体中に毒が回る。
「ケイティス! 大丈夫!?」
後方からサラの声が聞こえる。ケイティスは毒を無効化するために一度、サラの所へ向かうことにした。しかし…。
「ケイティス! ここよ!」
「・・・どこだ! サラ!」
「ここよ!」
ケイティスはサラの声がする方へ向かっても、サラの姿を確認できなかった。すると、別の方角からサラの叫び声が聞こえてきた。
「キャー!」
「サラ!」
急いで叫び声の聞こえた方角へ向かう。そこには腹に剣が刺され、意識を失っているサラの姿があった。
読んでいただきありがとうございます!
★★★★★といいね!、ブックマーク登録をお願いいたします!




