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名案

「育てるといいますと?」

「このダンジョンを学校にするんだ」

「誰が教えるのですか? マスターですか?」

「いや、みんなだ」

「私は会話することができますが、他のものには出来ませんよ?」

「もちろん承知してるよ。話さなくていい。……戦ってくれればいいんだ」

 アークデーモンは疑問に思った。マスターは、我々魔物が争うことが嫌ではなかったかと。それなのに、戦わせるのは矛盾があるように思える。

 この疑問について尋ねようとしたが、その前に答えを聞いた。

「殺し合いではなく、殺し無しの戦い。俺らは仲間を失わずにポイントを稼ぐことができ、冒険者は殺されないという安心の状況で魔物との戦い方を学ぶことができる」

「なるほど。名案だと思います」

「早速、あの冒険者達を使って宣伝してもらおうと思うのだが行ってきてくれるか?」

「かしこまりました」


 アークデーモンは【人化】を使い、冒険者のいるところへ向かった。

 冒険者達はダンジョンの中だというのに、魔物が現れないからか座ってリラックスしている。

「少しよろしいですか?」

「な! 何者だ!」

 ハル達は急いで立ち上がり、武器を構えた。

「落ち着いてください。戦うつもりはありません。皆さんに伝言を頼みたいのです」

「どういうことだ?」

 アークデーモンはマスターの案を正確に教えた。

「あなたの言うことを素直に聞くと思う?」

「これは、君たちにとって悪いことではないと思いますが」

「たしかにメリットはありますけど……」

「明日またここに来てください。魔物との模擬戦をさせてあげましょう」

 アークデーモンが何かの魔法を使うと、迷路だったダンジョンの壁が沈んでいった。

「今日のところはお引き取りください。また明日、お待ちしております」

 アークデーモンは、そう告げて帰っていった。


「……俺らも帰ろうか」

「……そうね」

「一応、ギルドに報告もしておきましょう」

 

 ハル達はギルドに行き、今日のことを報告した。

「また、そんな冗談を報告するなんて。信用を失いますよ」

「冗談じゃないって! 確認してみろよ!」

「もう行きましょ。ここにいても意味ないわ」

 またしても、ギルドの職員に信じてもらえずバカにされただけだった。

 ハル達が帰ろうとすると、1人の冒険者が声をかけてきた。

「おい! 馬鹿な冒険者ども! 明日俺らがついていってやるよ」

「……ん?」

 振り返ると40代くらいのベテラン冒険者が5人ほど立っていた。

「先輩冒険者としてお前達に教えてやるよ」

「感謝しろよ」

「別に頼んでないわよ」

「いいんじゃないですか。あの人がいってたこと本当か確認してもらえますし」

「確かにな。来てもらうか」

 ということで、明日のダンジョン調査は8人で行くことになった。

 

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