ダンジョン管理者
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そこは、出入り口のない、暗く小さな部屋だった。部屋といっても、岩で囲まれており灯りもないため洞窟という方がしっくりくる。
部屋の中心には、わずかに光る水晶があるだけで他は何もない。
「なんなんだ。ここは」
俺はただの会社員だったはずだ。それなのに、目が覚めたらこんなところにいた。
「夢か?」
「いや、夢じゃないよ」
「なんだ!?」
いきなり、水晶が話しかけてきた。驚くに決まっているだろう。
「私はヒューリ。君にわかるようにいうと、神だ」
「カミ? ナンデスカソレハ」
「君をこの世界に連れてきたものだよ」
「なんと! それは凄いですね! まるで神様みたいだ」
「だから、私は神です」
「……」
まだ信じられないが、そういうキャラだと思っておこう。
「あと、力も授けておいたよ。自分に【鑑定】と念じてみて」
「えっと……」
……【鑑定】。
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種族:ヒューマン(ダンジョン管理者)
名前:ガイア
スキル:【カードパック】【鑑定】
ダンジョンレベル:1
保有ポイント:0pt
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俺ってガイアって名前なんだ。前世でこんな名前だったのか?まあいいか。
「なんだ? ダンジョン管理者って」
「実は、君がいるのはダンジョンなんだ。そこに人が入り、過ごすだけでポイントが増えるようになっている。だから、それを私に送ってほしい」
「ポイント?」
「ポイントは神にとってのお金みたいなものなんだ。だから他の神も、様々な方法でポイントを集めている」
人に稼がせて、こいつは何もしないのか。なんて楽な仕事なんだ。
「俺にやるメリットないよな。わざわざ、よく知らん神のために働きたくないんだが」
「もちろん報酬はやる。私に送るポイントによって、ダンジョンに必要なものを渡すぞ。」
「ベッドとか風呂とかもある?」
「もちろんある」
「よし! じゃあやるわ!」
切り替えが早いガイアだった。
「助かる。あと、スキルに【カードパック】とあるだろう」
「ああ。なんだこれは?」
「そのスキルがあると、ポイントで手に入るカードパックを開封したりカードを解放することができるんだ。実際にやってみるといい」
すると、水晶からカードパックが5つ出てきた。真っ黒な袋に入っており、中身は見えない。
これが、カードパックか。トレカみたいだな。
「開けてみるといい。1パックにつき4枚ずつ入っている」
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