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王国には参謀が必要です!  作者: G-20
第2章 白き魔女
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【第7話】 オークの洞窟

 焦げ臭い匂いが充満するとオーク・ソルジャーは片ひざをついて倒れ込んだ。アルトはそれを見ると直ぐに取り巻きの方へと攻撃を仕掛ける。


アルト

「バインド」


 片手で拘束魔法を放ち、取り巻きのオークたちを縛り上げた。オークは魔法を振りほどこうとジタバタと暴れる。


盾オーク&杖オーク

「ブヒィーー!!」


 光の輪をほどくのに必死になっているオークへアルトは接近する。


アルト

「マジック・ソード!!」


 アルトは魔法で半透明の剣を作成し、オークの腹にめがけて剣を突き刺すとオークは耳をつんざくような声を発した。


杖オーク

「ブッヒィィイイイ!!」


 致命的なダメージを与えたようだ。杖をもったオークが、もがき苦しみながら倒れ込むと、次にアルトは盾のオークの方へと火の魔法を放つ。


アルト

「ファイアー!」


 オークに目がけて手から火球が放たれる。火球はそのまま拘束されて身動きのとれないオークの腹に炸裂した。先のオークと同じように断末魔を発したあと、焦げた臭いが残った。


オーク・ソルジャー

「ブヒィイイ!!」


 オーク・ソルジャーの逆鱗に触れたらしい。巨大な剣を振り上げて、アルトの方へ迫る。


アルト

「ウル・ファイアー!!」


 オーク・ソルジャーは怒りで我を忘れているのか、考えなしに突っ込んで来たため、アルトは両手を構えて魔法を放った。炎は勢いよく噴出しオーク・ソルジャーに直撃した。


オーク・ソルジャー

「プギィィイイイ」


 オーク・ソルジャーは攻撃を受けて一瞬怯むが、剣を盾にして進み始めた。


 徐々に押し負けるアルト。炎の出力を上げるが、それに負けじとオークも踏ん張る。

 そして、オーク・ソルジャーはアルトの前まで迫った。


アルト

「やばい......」


 オークは剣を振り上げてアルトに攻撃を仕掛けた。



 キーン!!


 間一髪のところで金属音が鳴り響く。エルヴィンが剣で攻撃を受け止めたのだ。

 その剣は、取り巻きが持っていたロングソードであった。


エルヴィン

「今だ!!」


 叫ぶエルヴィンにアルトは頷く。


アルト

「ああ!! わかった!」


 アルトはオークの懐へ入り込み、手をオークの腹に添える。


アルト

「ウル・ファイアー!!」


 ゼロ距離で放った炎の魔法は勢いをつけて放出される。その熱量と威力によってオークの腹は焼ききれて風穴が空いた。


アルト

「やったか......?」


エルヴィン

「そいつはな......」


 オーク・ソルジャーを倒すことができたが、オークの数はまだいる。

 アルトは懐から巻物(スクロール)を取り出して、魔法を発動させた。


アルト

「シールド・ホール」


 アルトを中心に周囲5m程に半透明のバリアが覆う。しばらくしたら、巻物(スクロール)は静かに燃えて消えた。


アルト

「これで少しは時間が稼げる。今のうちに傷薬を」


 アルトはゴードンに傷薬を手渡した。


ゴードン

「すまない、助かるよ」


アルト

「礼ならここを抜け出してからに、救援が来るまで持ちこたえなければならない......」


 本来、ここの洞窟は初心者冒険者でも無理なく攻略できる難易度であるが、今回のモンスターの量や上位種などの出現は異常であるのだ。

 アルトは洞窟に入ってから少し違和感を感じつつも生存方法を考えていた。


 そこへ声がかかる。


エルヴィン

「先は助かった。ありがとう。それと、すまない......俺のせいで二人を巻き込んでしまって......本当に申し訳ない」


 エルヴィンは相当追い込まれていたのか、以前と打って変わって助けに来た二人に礼と謝罪をした。


ゴードン

「謝らなくていいよ、俺は巻き込まれに来たんだから!」


 ゴードンは照れ臭そうに手を振っている。

 アルトも反省したエルヴィンの態度を見て、驚きと同時に安心をした。


アルト

「まぁ、俺も無茶することはあるから、反省すればいいさ、それにこれで協力しながら戦える」


エルヴィン

「ああ、今度こそは協力する!」


 アルトはエルヴィンの目を見ると、顔の力を抜き、フッと笑みを浮かべた。


アルト

「もう、準備はいい?」


ゴードン

「オーケー」


エルヴィン

「もちろん」


 バリィィンンン......!!


 バリアを解除すると同時にアルトは魔法を放った。


アルト

「ファイアー・バレット」


 指で狙いを定めて、丸腰集団のオークに向けて火の弾丸を連射する。


 ダッダッダッダッ!!


 指から放たれたのは小さい火の弾であった。

 一つ一つの弾丸は小さいが、連続で放たれる火の弾はオークの分厚い肉を貫いていく。

 手前にいた数体のオークは、ハチの巣となり倒れ始める。

 それを見た他のオークたちは、先ほど取り巻きオークが落とした盾を手にとって攻撃を防ぎ始めた。


オーク

「ブフォオオオオ!!」


アルト

「くそ......それなら......」


 アルトが詠唱をしようとしたところに、ゴードンが声をかける。


ゴードン

「ちょっと待ってくれ、アルト君」


ゴードン

「俺に強化の祈りをしてくれ!」


 突然のゴードンの頼みに何か考えがあるのだろう。アルトは頷くと直ぐに祈りの姿勢になる。


アルト

「悪きものを、倒すため我らに力を!」


アルト

「パワー!!」


 アルトはゴードンとエルヴィンに身体強化の祈りを加護をかけた。


ゴードン

「よし、これで......次こそ!」


 ゴードンは剣を握りしめて、力を確認する。そして、勢いをつけてオークに飛び掛かった。


ゴードン

「ブレイク・ブレード!!」


 バギィィィ!


 剣の衝撃に盾が耐えられずバラバラに砕ける。


ゴードン

「今だ! いけ!!」


 ゴードンが叫ぶと、エルヴィンは剣を構えながら走る。


エルヴィン

「くらえ! 回転斬!」


 エルヴィンが左から右に剣を斬り上げて一回転をすると、オークの身体は真っ二つとなって吹き飛んだ。


エルヴィン

「よし! 今だこの隙に逃げよう!!」


 エルヴィンが叫んだ瞬間に、オーク集団の後ろから、そうはさせまいと、オーク・ソルジャーが3体現れた。オーク・ソルジャーはそれぞれハンマー、どデカイ剣を持っている。


 今の状態では厳しい相手である。


アルト

「エル・サンダー!!」


 足を狙い動きを止めようとするが、オークは怯む。


アルト

「バインド!!」


 アルトが両手で魔法を放ち、オーク・ソルジャーを抑え込む。


アルト

「攻撃を! 直ぐに破られてしまう!!」


 ゴードンとエルヴィンは頷いて攻撃する態勢をとる。


ゴードン

「はぁあああ!!」


ゴードン

「くらえ!! 11連・刺撃!!」


 ズザッザッザッザッ....!!



 高速の突きでオークに剣を突き刺す。無数の斬撃によって攻撃を防ぎきれないオークは身体が傾く。後少しで押しきれるだろう。


ゴードン

「いくぞ! 八連斬!!」


 ゴードンは素早い動きでオークに八つの斬撃を叩きこむが、オークはまだ息がある。


 続いて、エルヴィンが攻撃を放った。


エルヴィン

「クリティカル・スラッシュ!!」


 エルヴィンは急所に目がけて力いっぱい斬り込む。命中させることが難しい技であるが、三体のオーク・ソルジャーに見事にヒットした。


 とどめに、アルトは素早く魔法を詠唱をしてオーク・ソルジャーに放つ。


アルト

「三連・ウル・サンダー!!」


 雷撃が放たれてオーク・ソルジャーに直撃する。その衝撃により、ブワッと砂ぼこりが舞う。

 視界が晴れると、焦げたオーク・ソルジャーが地面に倒れていた。


 何とか倒せたようだ。

 しかし......


エルヴィン

「気を抜くな! また出てきたぞ!」


 統率者である上位個体を倒したはずだが、いまだに、オークは逃げ出す気配がない。

 通常、上位個体を討伐すればモンスターは散会しだすのだが、アルトたちを取り囲んでいるオークだちにはいまだに戦意が感じられた。

 それは、オーク・ソルジャー以上の上位個体が存在することを示唆するものであった......。


 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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