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王国には参謀が必要です!  作者: G-20
第2章 白き魔女
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【第3話】 ノエルからのお誘い

 数日後、アルトは巻物(スクロール)を購入しにノエルの魔道書店に来ていた。

 そのついでにアルトはノエルに前回の依頼の話をした。


アルト

「......ということがあったんだけど、こんな感じでパーティーに揉め事があるなら、辞めようかな?」


 元々、冒険者ギルドの受付でバイトをしていたときに、誘いがたくさんあったから受けたので、前回の依頼のように悪い雰囲気になるくらいなら、受付に戻るか一人で活動したいと思っていた。


ノエル

「私も冒険者として活動しているけど、冒険者の中には粗野な人とか、パーティの輪を乱す人はいるのよね......。私も昔、嫌な目にあったことがあるわ」


 パーティーを組む上で重要となるのが人間関係である。人間関係が悪かったために、モンスターにやられて死んでいった冒険者も多いのだ。


アルト

「やっぱし、ソロで依頼を受けるか......」


 アルトが呟くと、ノエルは少し考え始めた。目をつぶって腕を組み、ブツブツ独り言を言う。店をグルグルと歩いてから、ノエルは唐突に提案をしてきたのだ。


ノエル

「知り合いとなら......。私と二人なら問題が起きないんじゃないかしら?」


アルト

「というと......?」


ノエル

「よかったら、次回は私とパーティーを組まない?」


 突然の誘いにアルトは驚いた。


アルト

「え? いや、別にいいけど、でも君お店はどうするの?」


ノエル

「お店は大丈夫よ。そんなに人が来ることもないし......それに、本当は師匠が......」


 最後に何かを言おうとしたところで、ノエルは首を振る。


ノエル

「いや、何でもないわ。 とにかく! 私とパーティー組みましょう?」


 ノエルはアルトに顔を近づけて誘う。アルトは戸惑いながらも返事をする。


アルト

「あ、ああ......わかった」


ノエル

「やった! ありがとう。じゃあ、明日冒険者ギルドで待ち合わせましょう!」


 途中から半ば強引に誘われた気もするアルトであったが、別に他人と組むわけではないため、気持ちは楽ではあったのだ。





~翌日~


ノエル

「あ! おはよう!」


アルト

「おはよう、早いね、朝強いの?」


ノエル

「まぁね、それに楽しみだったの!」


 彼女の手元には依頼書があった。


ノエル

「これを受けたくて、前からメンバー探してたんだ」


 そう言うと、ノエルは依頼書をアルトに見せる。



―――――――――――――


難易度 ☆☆


討伐

クレイゴーレム5体


報酬

1金貨(マール)&40銀貨(デーツ)


追加報酬

クレイゴーレムの(コア)一つ回収につき、20銀貨(デーツ)


依頼者から

やっちまったぜ。クレイゴーレムが暴れているんだけど、誰か止めてくんね? マジでヤベーの


―――――――――――――



アルト

「これ、2人だけでの討伐は難しくないか? それに、俺まだ初級だし......」


ノエル

「心配ないわ! "マジック・ソード"を使える術者なら、何とかなるわ! それに最初は私だけで討伐に出ようかと考えてた依頼なの。ただアルトがいれば、ゴーレムの(コア)を傷つけずに回収できると思ってね」


アルト

「わかった。ただ、あまり期待しないでくれ」


ノエル

「ふふ、ありがとう。じゃあ、依頼者のところへ行こう!」




――とある山岳地帯――


 アルト達は岩山へたどり着くと、遠くから男が手を振っている。


依頼者

「あ、来た来た! こっちだぜー!!」


 ちゃらんぽらんな見た目の男だが、一応、丁寧に依頼者へ話しかける。


アルト

「私たちはクレイゴーレム討伐の依頼を引受けた者ですが、貴方がご依頼主でお間違いないでしょうか?」


依頼者

「そそ」


 思った通り、とても軽そうな男である。


依頼者

「あんた達、俺と歳近そうだし、もっとラフに話そうぜ!」


 リラックス、リラックス! っとアルトの背を叩く。


アルト

「......ああ、わかったよ」


 アルトとノエルは頷いた。

 依頼者はそれから、クレイゴーレムを持ち出したことや、急に暴れだして、手がつけられなくなったことを話した。


依頼者

「いや、親父のクレイゴーレムだったんだけど、あいつらを制御できるようになれば俺最強じゃん? って思ったわけなんよ」


依頼者

「んで、んで、ゴーレム同士で戦わせてたら、急に、こう......バーンってなたんだよ!! ヤバくね?」


 アルトもノエルも頭を抱える。


ノエル

「なんだか、随分と軽薄な人ね......」


アルト

「聞いてたら全部、自業自得じゃないか......」


 依頼者は二人の反応を見て少し焦る。 


依頼者

「これ、やっぱ、俺のせい的な? マジやべー......」


アルト

「......」


ノエル

「......」


 沈黙が長い間続くと、依頼者はあわあわしだした。


依頼者

「ちょっ、待てよ! 何で黙っちゃうの? いや、悪かったって、でも、俺どうすることもできないし......だから、頼むよ!!」


アルト

「まぁ、今さら依頼を取り消しするのもなんだし......」


ノエル

「うん、そうね......。明らかに彼のせいではあるけど......」


 ゴーレムを放置せずにギルドに依頼しただけだが、一応彼なりの誠意を感じたため、アルトたちは渋々承諾をした。依頼者はやったぜ! っと喜ぶとベラベラと口が動き始める。


依頼者

「流石が!! あざっすー!! てかマジで途中で帰るかと思ったし、ビビったわー。あのクレイゴーレムの素材が一部、糞から出来てるって言ったら、昨日の奴らなんて帰っちゃうんだぜ? 俺土下座して頼んでんのに!! ひどい話だよなー」


 それを聞いたアルトたちは、依頼を承諾したことに後悔し始めた。


アルト

「......もう、黙っててくれ......。俺も何だか帰りたくなる......」


 それを聞いた依頼者は急に姿勢を正して、90度で一礼する。

 そして、膝立ちをしてから、あちらです! と案内し始めた。


依頼者

「シャッス! 案内すんで、ちゃちゃっと殺ってやってください!!」


 こうして、岩山を登り始めるのであった。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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