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王国には参謀が必要です!  作者: G-20
第1章 参謀試験
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二次試験の会場へ

 アリオスト王国はこの世界では珍しい立憲君主制のような国家であった。立憲君主制といっても、君主の権力のほんの一部分しか制限しておらず実質王政と変わりはない。唯一、君主を縛っている法というのは遥か昔に古き民と取り決めたことらしいのだが......。王国の人間は古き民の盟約なぞとうに忘れていたのだ。

 また、国民も王権を縛る法の存在など知らないし興味もないのだ。その要因として、王国が経済的に自立していることと、娯楽が多いことが挙げられた。音楽や絵画等の芸術活動は盛んであり、祭り等も頻繁に開催されている。

 そして、近年で最も流行しているのが、ダンジョン探索である。

 元々は魔水晶の発展によって、ダンジョン内の映像を映し出して調査する実験が行われていたのだが、いつの間にか冒険者に水晶を持たせてダンジョンを踏破させる賭け事が流行り出したのだった。

 観客は劇場で臨場感溢れる戦闘を安全なところから見る。また、冒険者はダンジョン内で手に入る財宝とは別に、劇場の運営者からも報酬を得ることが出来る。客は暇をつぶし、冒険者は一夜にして大金や名誉を得たいと夢をみるのだ。

 王国民はそれに熱中しているため、厳しすぎる規則や多額な課税がなければ、王国の政治などに関心を持たないのである。


 王国は実に上手く国民の不満を解消していたのである。




――アリオスト王国城下――


 アルトは王国の城下に入り、検問を受ける。検問所の兵士は軽装ではあるが、腕が立ちそうだ。


兵士

「ここから先は、関係者以外立ち入れないが、何か用事でもあるのか?」


 人の出入りが少ないから珍しいのか、見かけない者が来たから怪しいのか、疑いながら丁寧にアルトに用を尋ねる。


アルト

「参謀官吏の二次試験に参りました」


 試験案内状と一次試験の合格通知を兵士に見せると、兵士は思い出したように口を開く。


兵士

「ああ、君も試験を受けにね......今年は会場は城下内なんだってな? まぁ、力を入れすぎずに頑張りなさい」


 兵士はアルトを見て、通っていいぞと道を開けた。アルトはそのまま一礼して中へ入った。


 中へ入ると路面はさらに丁寧に舗装されており、建物も大きい造りのものが多く、思わず見上げてしまう。城下内にも一応お店などはあるのだが、どれも王国の御用達の店だった。

 アルトは辺りを見渡しながら歩いていた。奥の方に特徴的な建物と参謀本部の紋章が見える。


アルト

(アレだ......!!)


 近づいていくと、参謀と思わしき制服を着ている者が数名立っている。恐らく試験官なのだろう。


参謀

「参謀官吏の二次試験を受けに来たなら会場はここだが? 君も受験者?」


 入り口に立っていた参謀がアルトに問いかけた。金色の徽章を付けている。Ⅰ種のエリートだ。


アルト

「はい、職種はⅡ種を志望しています」


参謀

「ああ、Ⅱ種ね。それなら4階が会場になっているから受付で案内を受けるといい」


 エリート参謀は受付の方へ指をさした。アルトは礼を言って、受付に向かう。


 受付では一次試験のときにいた女性試験監督が案内をしていた。彼女の襟元には銅の徽章があるのが見える。輝きからして、恐らくまだ新米だということが推測できる。アルトは彼女に声をかける。


アルト

「参謀Ⅱ種の二次試験を受験しに来たのですが会場へはどのようにして行けば宜しいでしょうか?」


女性試験監督

「ああ君ね! 一次試験合格おめでとう!」


 彼女も辛い受験時代を思い出したのか、アルトに祝いの言葉を述べる。いい人だ。


女性試験監督

「あ、そうだ、試験案内状と合格通知を確認させてくれる?」


 アルトは女性試験監督に書類を渡して、確認してもらう。

 女性が確認し終えると、会場の案内を始めた。それと、普段は修業施設等で試験が行われるのだが、今年は特別だとも説明している。アルトが4階の待合室に案内されると、女性は頑張って! と言って踵を返した。中には数名の受験者がいる。みんな緊張しているのだろうか? 表情が硬い。一次試験ほど落ちるものはいないが、油断は出来ない。

 アルトは気を引き閉めて椅子に座るのだった。


 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 これからも頑張ります!

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