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第八十九話


 落とし穴に落ちた、エリノルとルイは暗い洞窟の中を歩いていた。


「大丈夫ですか?」


「……ええ」


 エリノルはルイを気遣い言葉をかけたが、ルイは無愛想に返事をする。


 今までのエリノルなら何か怒らすような事をしてしまったのだろうか、などと、マイナス思考に陥ってしまうが、なぜかルイに対して何とも思わなくなっていた。


 ルイは別に怒ってるわけじゃない。もともと愛想がないだけだ。エリノルはルイと出会って数時間ほどだが彼女の性格を理解できるようになっていた。


 そして、二人は先を進むと遠くに明かりが見えた。


「もしかして出口?」


「ルイさん、行きましょう!」


 ルイとエリノルは明かりが見える所まで全力で走った。そして中に入るとそこは広い空間だった。二人が入った後、バタンという音がする。後ろを振り返ると、どうやら二人が入ってきた入り口は扉がついていたようだ。バタンという音はその扉が閉まる音だった。


「しまった!」


 エリノルが扉を開けようとするがビクともしない。


「だめ、動かない……」


 エリノルが諦めて扉から手を離した、すると、突然、女性の声が聞こえた。


「無駄な努力ご苦労さん、その扉は私たちを倒さないと開かないよ」


「だれ!」


 エリノルとルイが声のした方を向くと少し離れた場所に少しつり上がった目力の強い女性が二人、立っていた。


「誰って、ジャン様の部下に決まってるじゃない、ねーお姉様」


「ふふ、そうよね、当たり前じゃないね! 」


 ジャンの部下と名乗る二人の女は同じ顔をしている。


「あ、あなた達は、ふ、双子?」


 エリノルが聞くと双子はニヤニヤと笑って自己紹介した。


「そうよ、私は姉のエーリカ」


「私は妹のカルラよ。よろしくね」


 ルイが尋ねると双子はまたもニヤニヤと笑った。


「ええ、私たちはジャン様からお前達を殺すように言われてるわ。だから、さっさと死んでね」


 そう言いながら双子の姉、エーリカが背中についている大剣を抜いて構えた。


 そして今度は隣にいる双子の妹、カルラが腰に帯刀している。細身の片手剣を抜く。


「双子なのに武器は対照的なのね」


 エリノルが二人の武器を見ながら言うと、双子はエリノルの方を向く。


「そうよ。私の武器の名は『龍蛇剛剣』よ。そして妹のカルラは武器は『蛇龍柔剣』。そして、二人とも職業は狂戦士バーサーカーよ。では、始めましょうか?」


 双子は臨戦態勢をとる。


「……エリノルさん、この二人、ジャンの部下だけあって自信家のようですね」


「ええ、自分の武器と職業をあっさり敵に教えました、よっぽど私たちに勝つ自信があるのでしょう」


「……ならその自信、粉々に壊しましょう」


「はい。そうしてあげましょう」


 二人はお互い見合わせニヤッと笑うと各々剣を抜き構えた。そして同時に双子に斬りかかった。

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