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第二十七話


「こ、これは光のオーブ」


 僕が光り輝くをオーブを拾うと姫野さんが興味深そうに見ている。


「黒羽くん、このアイテムは?」


「これは光のオーブといってさっきの闇のオーブと対をなすアイテムなんだ。これも闇のオーブと一緒で合成しないとアイテムとして利用はできないんだ」


「ふ〜ん、そうなんだ。合成したらどんなアイテムになるんだろうね」


「う、うん。まあ、色々あるね」


 僕は姫野さんにそれだけ言うと光のオーブをバッグにしまった。


 う〜ん、僕が前世でサリウスだった時は闇のオーブも光のオーブも拾えなかったけどなぁ。まあ、一度しか登ってないから仕方がないか。この二つはレアアイテムだもんな。


 しかし、この二つのオーブと火の石を合成したらあのアイテムが作れるはずだ。だけど、あんな(・・・)危ないアイテム使う機会あるだろうか……


「さ、次の階に上がりましょう」


 エレンミアの声に考え事をしていた僕はハッとして顔をあげると3人はテクテクと先に行ってしまっていた。


「おお、待ってくれ」


 僕は3人の後を急いで追う。


「みんな、次の五階はねモンスターはいない上にHPとMPを全回復できる癒しの花があるのよ。とりあえずそこで休憩しましょう」


「やった!」


 姫野さんがピョンピョン跳ねながら喜んでいる。それを微笑みながら見ているリカルダ。どうやら先ほどの戦いで彼女の心に少しだけ変化があったようだ。


 そして僕達が塔の五階に登ると部屋の中央に高さが三メートルほどの大きな光るチューリップが見えた。


「わあ、綺麗」


 姫野さんがチューリップに向かって走り出す。僕達は姫野さんの後に続き花に近づくとキラキラと光る雫が花から落ちていた。


「みんな、この雫に触れてみて、そうすればHPとMPが全回復するから」


 エレンミアの言葉に皆、素直に従う。


「すごい、どんどん体力が回復していくわ」


 まず最初に雫に触れたリカルダの体が光り輝いている。彼女のHPとMPは全回復すると次に姫野さん、僕、エレンミアと次々に雫に触れ全回復していく。


「ふう、みんなちゃんと回復したようね。そんじゃあ一通り終わったところで皆に聞いてもらいたいことがあるの」


「聞いてもらいたいこと?」


 リカルダが聞き返すとエレンミアは静かに頷く。


「ええ、石の塔の屋上にいるゴーレムのことよ」


「屋上にいるゴーレム……」


 姫野さんが神妙な面持ちでエレンミアの言葉をおうむ返しする。


「そう、みんなも知っての通り、屋上にはこの塔の守護神であるゴーレムが一体、眠るようにジッとしているわ。だけど侵入者が屋上に入るとそれを排除するために目覚めるの。そのゴーレムは非常に手強い敵なのよ。いくら私のレベルでも結構、苦戦すると思うわ」


「でも、エルフのお姉さんは何度もこの塔に登ってるんでしょ? ってことはゴーレムとも何度も戦ってるって事じゃないの?」


「ええ、そうよ。だけど私は一人でこの塔に登ったことはないの。必ずレベルが20以上の冒険者を二人以上連れて登ってるわ。そのメンバーでも結構苦戦するのよ」


「そうなの……」


 リカルダは少し不安な表情をしている。確かに俺がこの塔でゴーレムと戦った時はかなり苦戦したもんな。

と、僕が前世の記憶辿っているとエレンミアがニコッと笑顔で皆を見た。


「でも大丈夫。確かに何度も戦ってるからパターンは読めてるし、どの程度、攻撃するば倒れるかもちゃんとわかってる。私が言いたいのは強敵なのは間違いないから油断しないでねって事。わかった?」


 エレンミアの用心の言葉に全員が真剣な表情で頷いた。


「さあ、行きましょう」


 僕達は階段を上がり屋上に出る。外は少しだけ日が傾いていた、どうやらいつの間にか夕方になっていたようだ。僕達は屋上を見渡す。すると少し先の方でゴツゴツした五メートルほどの大きな石の人形が見えた。

 

 僕達は人形に近くとその人形の目が突然ピカッと目が光った。そしてエレンミアが叫ぶ。


「ゴーレムよ。みんな気を引き締めて!」


 僕は剣を構える。そして、目覚めたゴーレムがドンドンと地響きを立てながら近づいてくる。だが、何かおかしい、ゴーレムの足音が二度聞こえてくる。僕は目を凝らしてゴーレムを見る。と、なんと驚くことに向かってくるゴーレムの後ろにもう一体のゴーレムがいた。


「お、おい! エレンミア! この塔のゴーレムって二体だったか?」


 僕は慌ててエレンミアに聞くと彼女は勢いよく首を左右に降った。


「そ、そんなわけないわ。この塔のゴーレムはいつも一体だった。何で?」


 流石のエレンミアもひどく慌てていた。


「よくわからんがみんな…… これは非常事態だ。やばいぞ」


 僕の言葉に全員の顔が青ざめたのがわかった。

 

 

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