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第十七話


 ゾンビの群が唸り声を上げながら僕たちに襲いかかってくる。


 ウォォォォ


烈火散レイジングシャワー


 エレンミアが火魔法を放つと大きな火の玉がゾンビの群に向かって弧を描くように飛んでいく、その火の玉が地面に落ちバン!と大きな音をたて破裂すると火が辺り一面に燃え広がった。火はゾンビに燃え移る。


 ボオオオオオ


 全身火だるまになりながらも痛みを感じないゾンビはこちらに向かってくる。だが、その内の何匹かは力尽きてその場に倒れた。


「いまよ、リカルダ!」


 エレンミアがリカルダに向かって叫んだ。


「了解よ、エルフのお姉さん」


 リカルダが右手を前に出すと無数の糸が飛び出した。その糸がゾンビどもの体にまとわりつき動きを止めた。


「坊や、トドメをお願い」


 リカルダがそう言うと僕は軽く頷き、ゾンビに向かって走り出す。


「どりゃあああ!」


 僕は気合いを入れながら次々とゾンビの首を切り落としていく。そして最後の一匹になった時、僕は姫野さんに向かって叫んだ。


「姫野さん! このゾンビに向かって火魔法を!」


 姫野さんは少し緊張した顔で頷くと魔法の詠唱を始めた。


「いっけー! 烈火弾レイジングブレッド


 姫野さんが魔法を発動させると小さな火の玉が弧を描きながらゾンビに向かって飛んでいく。火の玉は見事ゾンビに直撃した。


 ボウウ


 火はゾンビの上半身で燃えている。ゾンビはその火を消そうと体を左右に振ったが、その内、力尽きて倒れた。

 

 よし!これでゾンビの群は全滅だ。


「やった! 倒した!」


 姫野さんが可愛くガッツポーズをした。その可愛らしさに僕は思わず微笑んだ。


「姫野さん。ナイス!」


 僕が姫野さんに向かって親指を立てると、姫野さんも僕に向かって親指を立てた。すると、姫野さんの目の前で「Level 2」という半透明の文字が浮かび上がる。


「遥ちゃん、やったね。レベルアップよ! ステータス画面を開いて」


 エレンミアが姫野さんに言うと、彼女は目の前の空間を右手の人差し指をポンっと押す。


「エレンミアさん。ここにあるポイントがさっきまでは0だったのに、3って数字に変わってるわ」


「レベルが上がるとポイントを取得できるの、遥ちゃんは一つレベルが上がったので3ポイントゲットできたのよ。そのポイントをステータスに振り分けることができるわ。とりあえぞ、遥ちゃんは魔法使いだから魔力にポイントを振り分けたほうがいいわね」


「はい!」


 姫野さんはエレンミアのアドバイス通り魔力にポイントを追加した。


「そういえばさっき言い忘れたけど、戦闘で敵にトドメを刺すだけはなく攻撃した場合でも経験値は貰えるからね。ただ、トドメを刺した方がより多くの経験値をゲットできるのよ」


「そうなんですね。わかりました」


 僕はとりあえず敵を倒したことにホッとする。


「さあ、みんな行くわよ。この塔は上に上がるほど敵が強くなっていくからね」


 エレンミアが皆に声をかけると僕たちは歩き出した。

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