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第百六話


「クレアさん! 右の古代竜を頼む!」


「オッケー! 任せて!」


 僕とクレアさんは地下ダンジョンで二頭の十メートルはある巨大な古代竜と戦っている。二頭はそれぞれ違う色をしていた。


 クレアさんの相手は緑色で、僕の相手は赤色だ。


 そしてこの二頭は色だけではなくそれぞれ能力も違う。緑色の古代竜は口から豪流波と言う衝撃波で攻撃してくる。豪流波は役割(ロール)がタンクの者が就ける上位職『獣王戦士』。――この職業は異常な防御力を誇る。その『獣王戦士』がLv50でも一瞬で粉々にしてしまうほどの威力がある。


 赤色の古代竜はなんといっても火吹きだ。この火吹きはなんでも溶かす。オリハルコンの次に硬い物質と言われている「ウルツァイト」をも一瞬で溶かすほどの威力がある。


 古代竜は間違いなくドラゴン族で最強の魔物だ。


 しかし、僕とクレアさんはその古代竜と互角以上の戦いをしている。


 僕らが戦っている場所はモンジュ村にある地下ダンジョンだ。

 

 そこの最下層、50階で僕らは戦っている。つまり目の前にいる古代竜はこのダンジョンのラスボスなのだ。


 早速、赤い古代竜が僕めがけて火を吹いた。


 【ヴォオオオオオオオ】


 古代竜の口から何でも溶かす異常なまでの超高温の火炎が放射され僕を襲う。


 僕は咄嗟にスキルを発動した。


「真・光輝王毅斬!」


 スキルを発動すると僕の剣が神秘的なオーラに包まれると剣からはバチバチバチと電気が弾ける音が聞こえてきた。


よしよし。いい感じだ。


 僕はそのまま剣を水平に振る。すると剣から光り輝くオーラが放出され古代竜の炎を呆気なく真っ二つに斬る。そして、そこから剣のオーラがどんどん炎を斬り裂き、ドン!と言う大きな音がなると古代竜の額がズバッと切れた。


【オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛】


 古代竜の耳を裂くような悲鳴を発した。


「おっと、さすが古代竜。僕のスキルで致命傷にならないとは、なんて硬い皮膚だ」


 怒りの表情で僕を見る古代竜が大きな手を広げて僕をなぎ払おうと右手を大きく振りかぶる。


 右手を払った瞬間、ヴオンと風を切る大きな音が聞こえた。その音だけで吹っ飛んでしまいそうなくらい重く恐ろしい音だ。


 だが、僕は古代竜の右払いを軽々とバク宙で避ける。しかし、古代竜の威力ある右払いは当たらなくても風圧だけで僕を吹っ飛ばす。


「うお!」


 僕はものすごい勢いで吹っ飛んでいき壁に激突しようとしていた。しかし、僕は慌てずクルッと回転すると壁にスタッと着地。


 そして壁に着地したまま無詠唱で魔法を発動した。


水神の罰(ヴァルナジャッジ)!」


 僕の右手から全身氷の女性が飛び出す。飛び出した氷の女性は古代竜の手前で止まると口を尖らす。


 すると、氷の女性の口から大量の吹雪を吐き出された。吹雪は古代竜の全身に満遍なく包み込む。


【オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛】


 古代竜がまたも悲鳴を上げる。そして氷の女性が吹雪を吐き続けると古代竜の全身が氷漬けとなった。


 古代竜は口を大きく開けたまま固まっている。


「フフン、決まったな。これでトドメだ」


 僕は古代竜を超えるほど高くジャンプをする。そしてスキルを発動。


「神・光輝鳳凰斬!」


 スキルを発動すると僕の剣から光り輝くオーラが発し、そのオーラが大きな鳳凰に変わる。


 僕は剣を振り下ろすと奇声を発しながら鳳凰が古代竜の頭に突っ込んでいく。


 光の鳳凰は古代竜の頭に激突し古代竜を包んでいる氷もろとも、まるで豆腐のように簡単にぐちゃっと潰すとそのまま真下まで落下していく。


 古代竜は光の鳳凰に真っ二つにされた。


【オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛】


 古代竜は三度目の悲鳴をあげると血を吹き出しながら絶命する。


「フフ。もう古代竜もそんな手こずる事なく倒せるようになったな」


 僕は古代竜が死んだの確認すると、クレアさんの方を見た。


「さて、クレアさんの方はどうかな?」


 どうやらクレアさんと緑色の古代竜は戦いの真っ最中のようだ。僕はクレアさんの戦いを黙って見守る事にした。


 

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