表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の簒奪者  作者: たかまち ゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/116

第39話

 僕は、怯えきっている女を眺めて、この後どうするべきか考えた。


 この女は若く、新人に近いという話は嘘ではないだろう。

 そもそも、警備隊における女性隊員の地位は低いはずだ。指導的な立場であることはあり得ないはずである。

 また、僕はベルさんと違って、色々な情報を教えてくれた相手を、躊躇なく殺したりはできない。


 だが、この女が、僕達を殺そうとしたことは事実だ。

 ならば、それなりのお仕置きをしてもいいだろう。


 先ほど追い付いた際に、僕はこの女のことを殴らなかった。

 偶然のようにも思えるが、無意識のうちに相手が女であることに気付き、手加減したのかもしれない。

 せっかくなので、有効に使わせてもらおう。


 そんなことを考えて、思わず笑ってしまう。

 それを見て、女はビクリと震えた。


 まずは、周囲の状況を確認する。

 警備隊の連中は、全員が死ぬか、逃げてしまった。残っているのは、この女だけだ。

 追撃をかけた際に、それなりの距離を走ったので、ベルさん達からは見えない場所まで来ている。

 森の中に入ったので、通りすがりの人間に見られる心配もない。


 しかし、ここで何かをするのはまずい。

 加速の魔法が使えるレレならば、僕のことを追ってくるかもしれないからだ。

 ベルさんはともかく、他の女性には、女を嬲って楽しんでいる場面を見せたくなかった。


 それに、この女の仲間が戻ってくるかもしれない。

 楽しんでいる最中は、どうしても隙が多くなる。不意を突かれるリスクは避けた方がいいだろう。


「鎧や、隠し持っている物は全て捨てろ。後で身体検査をする。その時に武器を見つけたら、僕はお前を殺すからな」

 そう告げると、女は震えながら装備を捨て、布の服だけを身に着けた姿になった。

「頭の後ろで両手を組んで、あっちに向かって歩け。お前の仲間が、簡単に見つけられない場所まで行くんだ」

 そう命令すると、女は素直に従った。


 こちらの意図は、概ね伝わっているはずだ。

 間違いなく、これから凌辱されると思っているだろう。

 しかし、逆らえる状況ではないことは分かっているはずである。


 しばらく歩き、木が密集している所まで来る。

 これで、レレや、この女の仲間に発見される恐れは低くなった。

 たとえ叫んでも、誰かに聞こえる可能性は低い。

 仮に聞こえたとしても、位置や方角までは分からないだろう。


「止まれ。それから、こちらを向け」

 女は、やはりこちらの指示に従う。


 その様子は、抵抗する意思など無いように見えるが、そのように振る舞いながら、こちらの隙を窺っているのかもしれない。

 若いとはいえ、警備隊の人間だ。このような事態に備えて、訓練を受けているおそれがある。


 ノエルが僕達を騙そうとした直後だ。

 油断するわけにはいかない。


「いいか、身に着けている物を、全部脱ぎ捨てるんだ」

「……!」


 女は、今回の命令に従うことは躊躇した。

 しかし、やはり命が惜しいのか、衣服を脱ぎ捨てて下着姿になる。


「あ、あの、これ以上は……!」

「駄目だ。命が惜しいなら、全部脱ぐんだ」

 そう告げると、女は躊躇しながらも、下着も脱ぎ捨てて全裸になった。

 そして、耐え難くなったのか、身体を両腕で隠す。


 警備隊に所属しているだけあって、鍛えていることが分かる身体をしている。

 胸の膨らみが小さいことは残念だが……羞恥に苛まれている様は、なかなか良い。


「そのまま後ろに下がれ」

 女は、目に涙を浮かべながら、僕の指示に従う。

 枝や石が足の裏に当たるらしく、時々下を気にする素振りをした。


 僕は、女が脱ぎ捨てた衣類を拾い、片っ端から、手で細かく引き裂いた。

 女は、僕の意図が分からないらしく、困惑している。


 しかし、そのうち、明らかに困った表情になる。

 再び身に着ける物を、失ったことに気付いたのだろう。


「いいか、お前は、その姿のまま仲間のところに戻るんだ」

 僕がそう告げると、女は明らかに狼狽えた。

「ま、待ってください! お願いですから、何か、身体を隠す物を……!」

「言っておくが、僕は、お前と同じ格好にした女を縛り上げて、人目に付く場所に放置したことがある」

「そんな……!」

「安心しろ。お前のことは、縛ったりはしない。ここで餓死させるつもりは無いからな。そうだ、喜べ。靴だけは返してやる。これで、足を怪我するリスクも無くなるはずだ」

「あんまりです! こんな格好で、人前に出られるはずがないでしょう!?」

「そうだな。お前が全裸で戻ってきたら、警備隊の連中は、凌辱されたと思い込むだろう。お前がそれを否定しても、誰も信じないだろうな。連中は、表面的にはお前に優しくするかもしれないが、きっと色々な妄想をして、毎晩のように楽しむだろう」

「……!」


 自分がこれから送る地獄のような日々を想像したのか、女の顔は蒼白になった。


「それが嫌なら、あの村に戻って服を借りるのも、1つの方法だ。だが、そんなことをしたら、あの村の連中だって、お前が凌辱されたと思うだろう。隊員がテロリストに弄ばれた、などという噂が広まったら、警備隊の威信に傷が付くかもしれないな」

「……」

「どちらにしても、お前は警備隊にいられなくなるはずだ。良かったじゃないか」

「ふざけないでください! 何がいいっていうんですか!?」

「警備隊の連中は、お前達に協力しようとした、ノエルのことまで殺そうとした。そんな組織は害悪だ」

「それは、貴方達が帝国を脅かしたことが、そもそもの原因でしょう!?」

「そうだな。だが、警備隊がノエルの家を焼いたせいで、お前はこっそりと服を借りるアテまで失った。おかげで、お前は警備隊の男達から、妄想の対象にされるリスクが高まったわけだ。悪人には相応の報いがあるものだな」

「……」

「好奇の視線に晒されながら、好きなだけ僕を恨め。女の警備隊員には、すぐに脱退するように促すことだ。今後、女の警備隊員を発見したら、全員男の前で全裸にしてやる」

「この……ケダモノ! 人でなし!」

 女は、涙を流しながら叫んだ。


 嫌われても構わない相手を苦しめるのは、こんなに楽しかったのか。

 機会があれば、何度でも、この気持ち良さを味わいたいものだ。


 僕は、わめく女を放置して、その場を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ