ルークの平和
新シリーズ書きます。
ああああ、まだまだ他に書きたいのあるよー!
これは、少し前の記憶。まだ、彼女が俺の側に居たときのまだ幸せだった時の記憶。
「ルーク、私行ってくるね?」
彼女は俺の名を呼び悲しそうにそう言ってくる。まるでこれが最後の別れと言わんばかりに。
「・・・」
俺はそれになにも言わない。いや、なにも言えないんだ。
それが、ルークとリーネ。無能と勇者。その区切りがついた時だった。
「・・・じゃあね」
リーネはそういい。去っていく。だんだんと彼女が見えなくなっていくと共に俺の心に深い絶望が支配していく。
「あああああああああ!」
俺は叫びながら家から飛び出し止まることなく走っていった。
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「アアアアアア!」
ルークは全身を汗で濡らしながら飛び起きた。
くそっ、嫌な夢を見たと小さく舌打ちをする。
「あー、くそが」
ルークは夢見の悪さと寝汗でベタベタする服に悪態をつきながら寝室である部屋を出ていった。
そこから一階に続く階段を下りていく。
「今日のご飯はどうするっかなー」
リビングである場所にはいつも食料を常備してある。だが、今日に限って何もない。
ルークはさらに痛くなってきた頭を押さえながら外へとでた。
「さて、いきますか。」
玄関をでた先には人溢れる町ではなく、木々溢れる森でもなく、
何もないところだった。いや、何もない訳ではない、強いて言うならば紫色の世界が広がっているぐらいだ。
「なにかいるかな」
そう言いなが道とも見れる所をを歩くこと15分、さっそく獲物を発見した。毎度毎度のよう此処には魔物が蔓延っている。
「グルゥ」
現れたのは15メートルは有ろう巨大な狼。それが、涎を滴ながら此方を見ていた。
「あまり、美味しくないんだけどなー。」
普通の人がみれば尻尾を巻いて逃げるだろう。だが、ルークの場合はそうではない。
ルークは武器も持たずに狼の前に立っていた。
「グルアアアアアアア!」
それを挑発と感じ取ったのか狼は神速とも言える速さでルークへと突っ込んでいく。
その時ら狼はただ己の勝利を確信していた。
何時ものように俺が生き残るんだと。
「ほいっと」
だが、そんな考えも途絶える意識と共になくなっていった。
ルークかま気の抜けた掛け声と同時に"手刀"を神速で動く狼の頭に叩き込んだのだ。
それだけで、狼は頭部から尻尾まで裂けて絶命した。
「あー、まぁ今日はこれでいいや」
そう呟いたルークは二つに割れた狼の成れの果てを持ち家へと帰っていった。
此処は、【禁忌の狭間】。神であろうと何であろうと、入れば処刑を待つだけの存在に成り下がる場所である。
こうして、ルークの日常は過ぎていく