003_お迎え
ひとしきり自己紹介が終わった後は、みんなそれぞれ勝手に話し始めた。
一歩と二神は今後の、ここにいる勇者パーティ?の方針について話し込んでいるみたいだ。
三上は四恩の手を握り、何かをやっているなとよく見る、先ほどの【鑑定】で四恩の固有スキルについて調べてもらっているようだ。
【鑑定】結果が出たのか、それを聞いた四恩は顔を真っ赤にしている。
キリッとしている印象の女性がいじらしく顔を真っ赤にしているととても気になってしまう。
五十嵐さんは【絶対の守り】を発動しそれを六花に見せ喜ばれている。
六花は【絶対の守り】を面白がり、【絶対の守り】によって現れた光る壁を殴ったり、蹴ったりしている。
俺は何をしているかというと、隣にいる七森…、七乃花の視線に耐えられずあちらこちらに視線を移している。
その視線が何を語っているか、俺は考えたがやはり先程の俺の既視感は事実のようだったと認めるしかない。
「あ、あの・・・」
俺の隣から声をかけられ逃げられないかと感じた瞬間、広間の扉が突然開いた。
ギギギ
白一面の広間にある、白く大きな扉が左右に綺麗に開かれる。
「おぉ、まさか本当に・・・」
ここよりも外の方が明るいせいか、外の陽の光に手をかざしながらこの広間に入ってくる人物を見極める。
派手な服を来たおっさんが現れた。
「勇者様!」
ぞろぞろと兵士達も入ってくるなり、一斉に膝をつき頭を垂れる。
その姿、光景はゲームや映画などでしか見たことがないものに少し感動する。
兵士達が綺麗に並び、膝を着く様を見て、王様気分というのはこういうものを指すのか。
「伝承の通りです、勇者様。ともかく我が王がお待ちです。城までお越しください」
派手な服をしたおっさんが、俺らへ向けてそう告げる。
彼らは入ってくるなり、俺らを勇者だと呼び、その存在を疑わない事に俺は疑問を浮かべる。
「この祠は厳重に封印されており、これを破るのはたとえ魔王でも不可能です。そこにいるということはまさしく勇者という事になります」
説明どうもと心の中で返事をしておく。
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ここにいるよりかはいいですよという説得の元、あれよあれよと馬車に乗せられ、城を目指すことになった。
城に向かう馬車の中で大臣、、、先ほどの派手な服を着たおっさんにどういう事なのかと一通り説明をしてもらった。
まず、転生召喚された場所、正確にはくにだが、ここはアスガルド王国。
伝承の中で、ここアスガルド王国とは、勇者にとってははじまりの場所らしい。
勇者とは8人転生させられ、この異世界に降り立つそうだ。
伝承と言ったがそれは事実であり、つい100年程前にも、その前にも、同じように8人の勇者たちは転生させ召喚されてきた。
姿形も一緒で”転生”というのは気になったが、神にも教えられたように俺らは現実の世界で死んでいる。
大臣に聞いて、白に着いてからまず何をするのかを頭に思い浮かべる。
・王様との謁見
・勇者鑑定式
・修行
・魔王討伐への旅出発
という流れだそうだ。
勇者鑑定式?と不思議そうな顔をしていたら、本物の勇者かどうか見極める儀式だそうだ。
王国に昔からある由緒正しき鑑定石を使い、勇者であるかを調べる。
この鑑定石は、冒険者ギルドや教会などに置いてあるものより遥かに性能が良い物らしく、いくらステータスプロフィールを弄ろうとも全て露見してしまう。
こんな便利なのがあれば、日本の裁判は楽だろうにと話を聞きながらぼんやりと思う。
試しに大臣へ、もしこの中に勇者でない者がいたらと聞いてみた所、王国で異世界の転生人として手厚く保護すると言われた。
過去に一度も勇者以外はいなかったという事だったらしいが、俺はこの先を思うと保護されて楽に生きたいと思った。
馬車に揺られ、鑑定式の事を考えると気が重かった。
いくらステータスプロフィールを弄ろうとも全て露見してしまう、、、この事で俺は知られたくない事が分かってしまう。
「さて、着きましたぞ!あれが我がアスガルド王国の王都です!」
馬車から見えた王都と城はとても立派で美しかった。
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