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キリングワンアナザー ~8人の勇者と4人の魔王~  作者: 日進月歩
第一章 王国・公国篇 旅立ち
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001_目覚め

さて、異世界に着いたらしい。

まず分かる事は、


自分が死んだ事

異世界に転生した事

自分が勇者である事

魔王を倒す事



突然そんな事を言われ、俺はつぶやこうとする。


「めんど…く…せぇ・・・」

ん?声が出ない。

まるで引きこもって数年喋ってないような感覚だ。

息を吸い、発生練習をする。



「あー、あー」


「あいうえおかきくけこさしす…」


何とか喉の調子を取り戻す。

そして改めて周りを見渡す。

ここは一面が白い小さい部屋だ。

壁にはクローゼットと姿鏡が置いてある。

クローゼットを開けようと近づくと、姿鏡に自分の姿が映る。



あれ、裸だ。



どうりで肌寒いわけだ。

何か着るものを期待して、クローゼットに手を伸ばす。

開けるとご丁寧に着替えと武器が置かれている。

着替えが入っている事に安心する。

他にもないか、クローゼットを調べると小さい麻の袋が置かれている。

中を開けると親切な事にお金が入っていた。

見たことない貨幣だ。

俺はお金をクローゼットの中に置き直すと、着替えを取る。

服に裾を通しながら、神に与えられた知識を思い出してみる。



この世界には普通にモンスターがいる。


人々を襲い、人々の生活を脅かす存在だ。

そしてそのモンスター達を率いる魔族。

それらを束ねる魔王。

勇者の俺が転生してきたという事は魔王もまた復活してるという事だと、頭の中にある知識はそう告げている。

俺は勇者だから魔王を倒さなければならない。



前世で死んで、起きてみれば転生させられて魔王を倒すハメになろうとは。

偶然なのか運命なのか、神によって導かれこのような運命を背負わなければならない事に正直、嫌気がさす。

とはいえ、この部屋に引き篭もっている訳にもいかないなと思い、クローゼットから武器を見つけ取り出す。

手にした武器は普通の剣だ。

与えられた知識から、これらの着替えや武器は魂の特性から選ばれるそうだ。

見たところ武器も服も至って普通。

つまり俺の持っている魂の特性は平凡という事なのかと少し悲しくなる。

他にはあったかなと知識を巡らせ、また一つ思い出す。


この世界では魔法が存在している。

魔力つまりMPがあるから、魔法を使える。

ただ魔法がどんなものかを実際に見た事がないから、自分ではまだ使える気はしない。

俺はある言葉を頭の中で思い浮かべる。



”ステータスオープン”


名前:岡崎 京

 JOB :第8勇者

 年齢:18

 LV :1

 HP :20 MP:5 SP:??

 力 :6

体力:5

器用:7

敏捷:6

 魔力:7

耐魔:7

幸運:20


【固有スキル】

 理解


【スキル】

なし


【称号】

 転生者(獲得経験値+15%)



頭の中で突如として色々な項目が現れる、不思議な感覚だ。


これが俺のステータスらしい。

俺はステータスの項目を色々見てみるが、比較対象がない以上はこれが普通なのかどうか判別が着かない。

もう一度、頭の中で念じるとステータスが消えたのを確認する。



正直、自分が死んだという実感が掴めないまま、この世界へ放り投げられている。

頭の中を整理したいところだが、外がどうなっているのかと、与えられた知識からこのファンタジー満載な異世界が気になって部屋から出ることにする。

俺はクローゼットに忘れ物がないかを確認し、姿鏡で自分の姿を確認する。

某ゲームで言えば、布の服に銅の剣といった本当に初期装備そのものだ。

自分を鏡でじろじろ見続けるのも趣味が悪いと思い、扉に手をかける。



扉を開けるとそこには勇者が8人いた。

お読み頂き、ありがとうございます。


毎日22時更新予定。

感想・レビューお待ちしております。

誤字・脱字も報告頂けましたら対応致します。

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