Ep.39.5 「渇いた渓、無限の愛」
愛するオンナは天女のようだった…
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下方で見上げる愛するオトコの視線を浴びながら…
天女は空を漂った……
ふたりは愛を寄せ合う深い関係だった…
「ローナ…」
「なにいってるの?ワタシは加奈子だよ…」
彼は夢を見ているのだろうか……
震えている…泣いているのだ…
先程…天上のモノのような笑顔を見せていたというのに……
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……
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「ううん…悲しいんじゃないの…なんだか嬉しくて…幸せで…矛盾しているみたいだけど…そんな時なぜだかたくさん涙が溢れて来ちゃうの……」
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オトコはオンナを胸に引き寄せて…ガッチリと抱きしめるばかりだった……
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ZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA…
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オンナの…きっと…シアワセの証明であるそのたくさんの涙の川を…
…オトコの胸は…果てしなく受け止めていた……
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涙は彼の心を満たしてしまったのか……?
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…
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否…
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彼の心は…未だ渇いた谷だった……
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例え…最愛の美女との情事をいくつ重ねても…
…宇宙の孤独を背負い込んだ…彼のこころは永遠の渓谷だったのであった……
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それでも…
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それでも…
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彼女もまた…永遠に彼の渓谷に…無限の愛を注ぎ続けて止むことはなかった……