Ep.39 銀色週間Ⅵ 『深い眠り』
ガンガンガン
↑
「おお、これはお三人方…ご無事で何よりです……」
↑眼多流
↓トライアングル…帰還
再び対策本部へ
↓
「ホント、危なかったんだよねっ!!加奈子サン…ボクの矢じゃ守りきれなくて…でも、藤吉浪クンが守ったんだよねっ!
!」←勾玉
↑サスガは最愛のフィアンセ!
「ここぞという時に頼りになる!」←眼多流
↑いや…←藤吉浪↓
「あれは実際…俺ひとりじゃ守りきれなかった…」
↓特に……
加奈子の視線に見詰められた宿敵の凶器が空中に浮かんでいる……
↑
その情景が藤吉浪の頭を掠めていた…
↓ギュウッ←腕
「と、藤吉浪!」
↑加奈子
↓も~急とかズルいんだからねっ
「ギュウウウウウウッ」
↑効果音プレーとか羨ましいよねっ!!
「ボ、ボクもすずたんにやられた~い!!」
↓すずたんまだおこちゃまだからな…←勾玉↑
「みんなの前で熱いんだよねっ!!」
↑まあどうであれ←眼多流↓
「無傷とは奇跡ですね…敵はどうやら…相当手強いです!」
↑ああ…←藤吉浪↓
「アイツ…逃げ去るときにまでイチイチだったぜ…」
↓再び映像…
遠く逃げ去るオトコと空中に浮かんだ荘厳さ!そしてオトコを中心店として大きく膨らみ続けた透明な球体……
↓確かに…恐らくまだチカラを出し切ってはいねえ…
「くっ…」
勾玉
↓ところで?
「あれから動きはあったのかい?」
↑ええ…勾玉さん…←眼多流↓
「アナタから連絡があるまでの間…動きはありませんでしたが…しかし連絡直後…やはりここから遠く離れた中部地方で犯行がありました」
↑
「!!!」←トライアングル
↑ええ…←眼多流↓
「つまり、犯人はお三方という協力な宿敵に苦戦したことで初めてと言ってよい足止めを喰らうことになりました。そして加速する犯行速度から推測して、最前になかったほどの長いスパンが生じていましたよ…これは…犯行がたったひとり…単独で行われているという憶測へとつながっていきます…」
↓そして…
「お三方との激闘に破れはしたものの…直ぐ様次なる犯行が始まっていきました…いわば逆アリバイの成立ですね…」
↓犯人がお三方との激闘によって…遅れをとったことは紛れもない事実でしょう…
「犯行は恐らく更に加速していく筈…」
↑
「……」
↑トライアングル
↓ったく…
「油断ならねえったらないぜ…」←藤吉浪
↑ちょっと休憩だよねっ!!
「お水をついで来るからねっ!!」←勾玉
↓藤吉浪さん、加奈子さん、
「あなたがたも休憩されてください…さぞやお疲れでしょう…」
↑ああ…←藤吉浪↓
「スマンな眼多流…テメエこそ休みなくやってくれているのにな…」
↑いえ…藤吉浪さん…
「私がオタク気質であることが、あなたに秀でたる唯一の能力ですよ…」→とは言ってもあなたも十分オタクですがね…
↓私にとってこれは日常です…←眼多流↓
「確かに疲れましたがまだ行けますよ…あなたがたが回復されるまではご心配なくごゆるりと…」
↑サスガは研究魔…←藤吉浪↓
「全く敵わねえ野郎だぜ!」
・・・・・・
↓
藤吉浪は回復していた…というよりも、あの程度の激闘であれば疲労することはないも同然だった…
↓
勾玉はもう眼多流のサポートと引き継ぎを始めていた…
↓驚くべきことに
眼多流はもうまる二日以上仕事を続け…そして正確さを全く失わずに維持していた
↓ただ…
藤吉浪の膝枕にすやすやと眠る可憐な美女…
↓
加奈子だけが慣れない戦闘にぐったりと疲れていた…
↓……
空中に浮かんだ凶器…
↑藤吉浪はもう一度考えていた…
↓あれは視力で運動を停止させるという立派な攻撃コマンドだ…
↓つまり俺がかつての格闘や修行の末に手に入れた数々の技と同じく…
↓戦闘の為の技…
↓俺といることが長かったせいで…愛する女にワケのワカラン特殊能力を授けちまったらしい…
↓くっ…
↓これじゃいかん…こんなんじゃ…このままじゃ……
藤吉浪は愛しさがこみ上げて…抑えきれずに眠りに耽ける愛する女の髪を撫で上げた……
↓すやすやすや…
それでも…愛された女は眠りを破ることもなく…
↓それどころか
ますます安逸に深い安息へと落ちていくのだった……
↓そして…
やはり精神を何度も駆使したということで…肉体で測れぬ程の精神力を使用していた藤吉浪は…
↓その意識を現実より深い深い場所へと落ち込んでいき…
↓藤吉浪は…この部屋から遠く遠ざかって…
愛する女とのたった二人きりの世界へと知らぬ間に旅立っていってしまった……




