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Ep.02 朝

彼の身体…

その肉体と地続きに広がった空気は青く透明だった

すぅぅぅぅぅぅぅぅっっと←すぼめる唇

……

ぷふぁああああああああっっ→吐き出す爽風

キューピットッ勾玉オトメン

浪藤吉藤吉浪と西岡加奈子を結ぶキューピット

↑       ↑←その未来の花嫁

エゴサ↑チⅡの主人公

↑↑↑

精神クリスタル、藤吉浪のトライアングル、その一

↓←そのひとり…勾玉→

↓         ↓

↓        私立賀正高校の同級生

「…うん、気持ちのいい朝だねっ!!」

朝…実際まだ夜と朝の飛び交い漂い融合した…

まだあけたばかりの早朝の気配

「……」

↓←見惚れる…

空はまだ濁った黒を含んでいた→混濁した青空と薄い雲

大きく膨らんだ雲が突然更に膨らんでいく

!!

↓←更に更に膨らんでいく…

白と灰色がかった筈の雲に→ピンクの光が啓いた…

ピンクはやがて藍や紫を交え益々複雑に混濁していく…

(…キレイ…)

↓←qwiiiiiiiiii←鷺が啼いた

「!!」

「そうそう…。見惚れている場合じゃないよねっ!!」

キューピットッ勾玉オトメン

修道服を着ている…←一見ヨーロッパの修道女?

勾玉オトメンは今、家族を離れ、一人暮らしをしている→父母妹妹の家族構成

↓→父晴彦は勤続30年の大手サラリーマン

それは郊外…→母春美は香水店勤務

勾玉の父が5年ほど前に購入した別荘で…→妹1は優子ひろこ中三

古城を思わせる佇い…→妹2は杏華きょうか中一

そこへ突然住みたいと言い出す←初めは家族の反対に合うが一度定まった勾玉の決意は曲げようのないことを…

自宅からは車で40分かかるが←…両親は知悉していて、結局すぐ諒解した

賀正高校へは歩きで通える←家事に長けた勾玉には口うるさく指示する何事もなかった

山を降りたら徒歩30分で着く←食費や雑費は少し必要だが…

もちろん丘から実家は手に取るように見えている←これまでの通学費でまかなえる範囲であり、家計はむしろ節約できた

↓←勾玉オトメン

「不思議な景色…森にも写っているよ…気配」

↓←勾玉オトメンはその表面を凝視していた

混濁した空の色彩を写した小川の水面…

↓→ぴちゃっ←桶をくぐらせた

幻想の液を破って躍らせている…

↓→ぷくぷくぷく…←桶の水も幻想的に泳いでいる

引き抜かれる桶→ザバアアッ←液が引き千切られて二分する 

↓→汗…→ふうっと息を衝く勾玉

ごぼごぼごぼご…→タンクに注がれた湧水…

↑→この清流は飲み水に適していた

勾玉の朝の日課である←雨の日以外に…

↓←踵を返して

ザクッザク…ザクッザク……←朝露に濡れた草原

↓←乱れぬリズムで踏みしめる森の大地

柔らかい容姿とは裏腹に逞しい足腰である

↓→……

「ふうっ…着いたよねッ!!」→見上げる古城…

↑  太陽は高くなって建物を刺している→↑

住まいの玄関を前に袖で汗を拭った

・・・・・・

早朝…→勾玉は夜明けを逃さずに生きている

↓→水を汲み

修道女の姿で絨毯の上でアグラをかいている

↓→座禅を組んだ

瞑想タイム……

↓→そして二人を探す…

??

↓→藤吉浪と加奈子…

「今日はいないみたいだ……」

↓→ある部屋…

「……」→もう一度眼を綴じてみる

↓→ビロードの天幕に覆われた怪しい部屋で

……→…やっぱり…

すっと立ち上がる

↓→ケータイを取る

ピッ

↓→pppp…pppp…

「なんだあ?オトメン…」

↓↑←藤吉浪

「な、なんだあじゃないよねっ!!キミ、起きているのっ!珍しいよねっ!!」

↓→朝方決まって藤吉浪と加奈子の二人は夢の中の部屋にいる

「あ…ああ、今学校だ」

↑→そして時間も忘れがちな二人の世界を割ってはいるのが勾玉の役目となっていた

「早すぎるよねっ!!」

↓→目覚まし時計という物理的役割のみでなく

「ああ、まあいろいろあってな」

↓→トライアングルの中央に施された部屋で3人は日課として精神の深い場所にて雑談をするのだ

「まあ…夢で逢うのは昨日までさ」

↑→深みを増していく…トライアングルの結束力を…

「ぎょえええええっ、なんでなのさっ!!」

↑→そして日々…暗に完成に向かっていた

「加奈子に夢で逢うのはよそうってさ」

↑←汗っ

「ケンカしたのかいっ!!」

↓←焦…

「んなわけないさ。ただ…なあ…まあこだわってんな!ちょっと言いにくいことさ」

↑←汗汗っっ!!

「本当にケンカじゃないよねっ!!」

↑←焦焦……

「ああ…本当に本当だ」

↑←汗汗汗っっっ!!!

「本当に本当にホントだよねっっっ!!!」

↑←断定!

「ああ…間違いねえだから勾玉オトメン、そのことは気にすんな!」

↑←胸キュン

「でも藤吉浪クンっ!もし二人が逢わないんだったら…ボクだけがキミと夢で逢うのはおかしいよね…」

↑辛い現実を突きつけ

「まあそれはそうなるな…」

↑←胸がドキドキ

「それはいけないよっ!!キミ…ネボスケだからねっ!!対策はあるのかい???」

↑←再びの断定!

「…まぁ…そんときは寝ないまでさ」

↑←!!

「!!!!」

↓←決着

その時勾玉は確信した!彼は精神クリスタル。常人のやり方では道を開かない…そしてそのやり方こそが…すべての困難を切り開くことだろう

↓←名残り…

「さみしい気もするけど…」

↓←踏ん切り!!

「そうするしかないみたいだよねっ!!」

↑←寝れねえのか…

「ああ…これまで世話になったな…」

↑←感謝っ

「こっちこそだよ。じゃあ…またこのあと教室でっ!!」

↑←ああ…誰もいねえ教室…

「ああ…またな」

ピッ

……。まだ6時だよねっっ!!!

……

オトメンの恋心…夢で逢うという特別な関係を断つことは恐怖であるが

↓それは

始まりでもあった

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