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おっさん、仕事について語る

おっさんが仕事で凹むけどなんとか立ち直ります。

やあ、みんな元気かな?

こんなチラシの裏にでも書けばいいような内容のエッセイでもちらほら読んでくれる人がいるんだ。

ありがたいことだよ。

このページを開いてくれたすべての人に、ありがとう。


おっさんはここ1週間ぐらい仕事でいろいろあって辞めたくなるぐらいだったんだ。

けど、初心を思い返してみてもう一度頑張ってみようと思ったんだ。


今回はその顛末を書いていこうと思う。

今回はおっさんの備忘録みたいなものと、40も過ぎたおっさんの内面のお話。



まず、おっさんの仕事なんだけど土木屋で施工管理技士なんていう資格も持っているんだ。


 施工管理といってもけっこう幅が広くて、着手前の現場の調査・測量から始まって施主・元請けと相談しながら自分で設計して自分で監督したり作業指揮をとったりして工事現場を仕上げていく。そんな仕事なんだ。


 たいていの場合は調査・設計だけとか、作業の監督だけとか、作業指揮だけとか。工事の中の限られたポジションで仕事をする場合がほとんどなんだ。だから設計はできるけど現場監督ができない人とか、作業指揮は執れるけどデスクワークができない人とか、そんな場合がほとんどでそれが当り前な業界なんだ。


 けど、おっさんが勤めている会社は元請けのゼネコンでも把握しきれない細かい部分の設計(施工図作成というんだ)もやって、それがお客様にとってもかゆいところに手が届くということで営業にもつながっているんだ。だからこそやらなきゃいけないんだよね。



 さて、おっさんは今現在担当している工事に作業指揮を執ったことがない工種があっていろいろと不安でできない理由ばかりを考えていたんだ。

その理由を書いてみると、

① やったことない仕事だからわからない

② やったことがない仕事だからできるわけがない

③ なんで自分にばかり負担が集中するのか

④ 正直自分のキャパシティをオーバーしてるよ


 うん、なんだ、自分で書いていてもネガティブなことばかり思っていたことがわかって、今になってみると我ながらデレスケ野郎だな。と思う。


 そしてそんな調子だから当然仕事もうまくいくはずがなくて、上司や元請けからは連日叱責・罵倒を受けるわけだ。責任がある立場だからして叱責や罵倒の度合いは下っ端のそれの比じゃない。そりゃそうだ、下っ端がミスをしたって大きな損害は発生しないけど、現場を仕切っている自分が下手を打って生じる損害は自分の給料じゃ賄えないような損害なのだから強く注意されるのは当たり前なんだ。それを言ってる上司は言わなくちゃいけないことを言ってるわけだし、言われている自分は言われて当然なことを言われているわけだ。


 おっさんはガラスのハートな面もあるから、正直辞めてしまいたいとかもっと気楽な立場に降格してもらいたいなんて考えも出た。


 けどね、20代の頃。現場監督として駆け出しだったころのメンタリティを思い出したんだ。その時の考えというのが、

① まずは現場を完成させることが最優先。

② そのためには自分のプライドなんて犬にでも食わせとけ。

③ どんなに気に食わない相手でも吸収できるものがあるのならば、頭を下げても何をしても教えを乞うて仕事をおぼえる。

④ わからないことがあれば上司に鬱陶しがられてもガンガン質問して、仕事を自分のものにする。

⑤ 事に当たるからには常に全力・一生懸命にやる。

⑥ どうせやるならだれにも文句を言わせないぐらいきちんとやる。

⑦ 限界というものは自分が考えているよりだいぶ先にある。

⑧ どうせ自分の人生はハチャメチャなんだから、仕事ぐらいはきちんとやる。


 この考えでやってきていっぱしと呼ばれるレベルにまでなってきたんだ。やるぞ!と。



 あと、ここからはおっさんの都合というかここ近年の過ごし方にも関わってくることなんだけど、おっさんは6年前に離婚をきっかけにアルコール依存症になってしまったんだ。しかも鬱も併発。最悪だった。

 そこからの4年間はひどいものだったよ。アルコール依存症だから連続飲酒といって朝も昼も夜も関係なく酒を飲み続けることがあったんだ。人間のクズだよ。連続飲酒になると自分で生活を立て直すことはとても困難なんだ。だからアルコール専門病棟に入院もした。周囲の人間からしてみたら

「あいつ、終わったな」

って状況だよ。友達は離れ、仕事は数か月続いたと思ったら連続飲酒で辞めざるを得なくて長続きしない、飲酒運転で交通事故を起こして執行猶予までついた。死なない程度の最悪だ。そんな状況だから

「どうせ俺なんて何をやってもうまくいくはずがないんだ」

と、負け癖がついてしまっていたんだ。


 けどね、そんな負け犬人生を送っているときに無職な人が転生するという素敵な小説に出会ったんだ。おっさんが仕事でミスを連発する前にその小説のクライマックスがあって、主人公が負けそうな状況になりながらも決してあきらめないでなんとか勝つ。という物語にいたく感銘を受けていたんだ。


 確かに仕事でヘマを連発した。逃げ出したい気持ちにもなった。けど、ここで逃げ出したらこの先一生何事からも逃げながら生きていくようになるかもしれない。というか、そうなる。そんな人生は嫌だ!

 それに、現場全体じゃないけど途中から自分で測って自分で設計した現場なんだ。なんでここでほかの人間に渡さなくちゃいけないんだ。これは俺の仕事だ! って自分自身に火がついたんだ。


だからおっさんは初心を思い出して気合を入れなおしたんだ。

 だから叱責を受けても今までのように

「はぁ、あの、申し訳ございまsん…」

みたいな受け答えもやめた。駆け出しの頃を思い出して、駆け出しの頃と同じように

「はい!その件はうっかりしてました!申し訳ありません!今すぐに○○を△△に対処します!」

というようにしたんだ。そうしたら上司もおっさんの雰囲気が変わったのを察してくれたのか、今までみたいに人格まで否定するような叱責の仕方はしなくなったんだ。


 おっさんは少し調子に乗っていたのかもしれない。

 少しばかりほかの人よりできることが多くて、少しばかり器用だからいろんなことをそれなりにこなして、自分がたいそうな人間だと錯覚していたのかもしれない。

 自分の強みはなんなのか。現場の作業員から管理技術者になった叩き上げじゃないか。どうやって仕事をおぼえたかといえば、なりふり構わず仕事に取り組んだから今の自分があるんじゃないか。ここでカッコつけてどうするよ。


 この仕事は自分しかやれる人間がいないんだ。なにがあろうと歯ァ食いしばってやりとげてやる!



以上、おっさんの決意表明でした。

最後まで読んでくれた方、ありがとう。

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