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短編集

嘘つきの僕。

作者: 煌希

初めての男主なので、口調がばらばらです。

それに子どもっぽいかもしれませんが、

最後まで読んで下されば光栄です。

昔から、僕は人の顔色ばっかり気にしていた。


だから、言いたいことを何一つ言えなくて、心の中に閉じ込めていた。


笑顔の裏に隠した、本当の僕。


誰にも見付かりたくなくて、誰かに見つけてほしくて…。


矛盾している僕の心は、今日もまた嘘をつく。


"何故、人は嘘をつくのだろうか?"


そう首元を通った風に尋ねられた。


嘘つきの僕は、まっとうな答えを持っていない。


嘘をつかなかったら僕は、崩れそうだ。


そう思うくせに、嘘をつかなくても平気だと自分自身にも嘘をつく。


そんな僕にいつもつきまとう無邪気なキミ。


嘘つきのこんな僕にも優しく接してくれた。


でも、嘘ばっかりついていた僕にキミの優しさは、心苦しくて、何時も跳ね返してしまう。


「一緒に帰ろう?」

「嫌だ。一人で帰れ。」


あぁ、またやってしまった。


本当は、一緒に帰りたい。


こんなことを言いたくない。


もう此処に居たくない。


一人ぼっちは、嫌だ。


この気持ちが人にばれないように、本当の自分をまた隠し、自分じゃない誰かのフリをする。


「生きている意味なんて…もうないよ…」


そう密かに呟き、屋上から飛び降りようとした。


そうしたら、誰かに抱き付かれた。


「死んじゃダメっ!!死んでいいことなんてなにもないよ」


泣きながら必死に僕を止めるキミ。


でも、僕に生きている意味はないから。


キミの優しさを跳ね返す。


「生きる意味のない僕は、死んだ方が良いんだ。だから、もう僕のことなんてほっといてくれ!!」


これで、もうお別れだよ。


キミから離れようとすると、さらにキミは抱き付く手に力を込めた。


その時僕達は、バランスを崩し床に転がった。


「ほっとかないよ。」

キミは、上半身をお起こし、悲しげに微笑んだ


「何で…死なせてくれないんだ…」


早く、こんな世界から出たいのに…っ


「だって、まだ死にたくない、助けてっていう顔してるもの」


また、悲しそうな顔をするキミ。


そんな顔させたくないのにっ…僕は…なんて…


「無力なんだ…っ」


青く輝く空を観ながら呟いた。


「強い人なんて、この世界に居ないよ。皆ね、弱くて儚いの…。私も、一人でいたら不安だし、こわい。」


真剣な表情で遠くをみつめているキミは、確かに儚かった。


「でも、その辛さを乗り越えてこそ人は、強くなれるんだよ」

「そんなことしても、強くなんてなれない。」


キミの言葉を跳ね返し、


"僕は、弱くない"


と自分自身に嘘をつく。


でも、本当は弱い。死にたくない。自分の想いを伝えたい。悲しい。


そんな想いは、いつの間にか耐えきれるようになっていて、


泣きたいのに、涙が出なかった…。


「強くなれるよ!!だから、もう自分に嘘をつかないで…っ。嘘は、寂しくなるだけだから。」

「え…何で…」


何で…自分自身に嘘をついていることを知っているんだ…。


「知ってるよ。いつも泣きたいことを我慢していることも、本当の気持ちに気づいて欲しいことも。これからは、私が気づいてあげるから、もう嘘をつかなくても良いんだよ。」


キミの言葉に驚き上半身を起こすと、キミが僕を優しく包み込んでくれた。


もう、泣いていいんだよって


今まで出なかった涙が、キミのその一言で溢れだす。


あぁ、僕はずっと…ずっと泣きたかったんだなぁ…


なんて想いながら、子どもみたいにずっと泣きつづける僕を、キミはずっと包み込んでくれていた


そして、泣き止んだ僕にキミは、優しく微笑んだ。



だから僕は、心になにも被せないで思い切り笑った。


そして、お礼をいった


「ありがとう」 と…




さぁ、今日も



僕は、愉しい(じょうだん)をつく。





Fin

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