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田舎の無職で怠惰なおじさん。
「おうガキ。元気か?ちょっと金貸してくれよ。」
良く知っている中年男性の声に呼び止められ、私は立ち止まり顔を向ける。
午後三時。いつものランニングコースである川沿いの原っぱ。
「借りたい気持ちがあるならせめて敬語使いなよ。」
この時間にいるってことは、負けたんだな。
まったく、あの賭場の客上手い人ばっかりなんだから辞めなって教えたのに。
「事実だから良いんだよ。なあちょっとでいいからよ、午後には倍額にチョコでもつけてやっから」
「前貸したの返してからでしょ。それにおじさん博打へったくそなんだから辞めなってば。
もう、いつまでもガキ扱いして。」
うっ、とバツが悪そうな顔をするおじさん。しょうがないなあこの人。
「…じゃあ、また魔法教えてよ」




