ジュヌヴィエーヴとの出会い 後編
清一は驚きを誤魔化すように他の話題を振った。
「ところで、気になったのが、仲間をあまりキツク言わなくても……」
「オメーにカンケーねぇじゃん」
「まあ、そうなんですが……」
「そうケンカ腰に言うなよ」
険悪な空気を大道寺が中和するかのように優しく声をかけてくれた。
「君、さっき幻塩見てただろ。僕はあれのyチューバ―をやっててね」
「もしかしてロココンさんですか?」
「いやあの人ではない」
「もっとヘタなやつだよ」
「そういうなよ~」
太田は一見すると取っ付きにくいが、仲がよくなればそこまで悪い人じゃないのではと思えてきた。
「RPGって言うのかな、始めの内はキャラが少ないからみんな大切に使うよね。でも1年、2年とやっている内にキャラがいっぱい集まってくる」
「そうすると、使える武器などの装部品なんか使いまわしとか言って昔の主力から取り上げたりしないかい?」
「まあ、そうですね。馬車の中のキャラから取り上げたりしますね」
清一は大道寺の話に相槌を打つ。
「コイツのやっていることはそういう事」
「ただ、具現化して命を持っているのでは」
さすがに生命を宿すことになった者にそれはおかしいと思い修正を試みる。
「では、デジタルデータは命は無いのかい? ロボットは? アンドロイドは? 人工知能は?」
「それは……」
清一は言葉を濁した。
「そう言う事。だから陽翔をあまり悪く言わないでやってくれ」
「そうだぞ、高校生、お前もいずれそうなる」
「そうでしょうか?」
「俺も、以前はそうだった」
太田が寂しそうに笑った。
(この人なりに色々あったのかな)
「そうだ、陽翔、彼にあの娘あげたら、どうせ倉庫行きでしょ」
「えー、タダでか」
「僕もそれがいいと思う。リサイクルだよ」
突然氷上が突拍子もないことを言い出し、渋る太田に大道寺が後押しをする。
「ま、いっか。その代わり飯おごれよ」
「OK、装備品取っちゃうんでしょ。私の子が昔付けてた装備品あげるよ」
「僕のも、もう使わない物をあげるよ」
「いいのですか?」
「別に構わねーよ」
「ありがとうございます」
思いがけない申し出に清一は小躍りするくらいに喜んだ。
「ジュヌヴィエーヴ、じゃあな」
「……」
「式神の引き渡しの儀を行う」
「よろしくお願いします」
ジュヌヴィエーヴの式神移転が終わると、三人は振り返りもせずに雑談をしつつ去って行った。




