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見習い神官兼陰陽師、式神失格としてリリースされた型落ち倉庫番のフィギュアと共に一人前の階段を駆け上がります  作者: クワ
第一章

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12/30

清之進の武器談話

 夕方


 清之進が帰宅すると、ガラスの件は早速伝わった。

「まあ、割ってしまったものはしょうがない」

 そう言って、スマホを手に取ると電話を始めた。

「ああ、俺、中条。うちの息子がガラス割ってさぁ、交換に来てよ。サイズは前交換したのと同じサイズ」

「ああ、ああ、わかった。おい、清一、明後日の午後開いているか?」

 突然清之進が清一に話を振ってきた。

「明後日って何曜日?」

「明後日は土曜日」

 清一の言葉に姉が冷静に答えた。

「ああ、大丈夫。開けとく」

「息子、大丈夫だそうだから、明後日午後で頼むわ」

 ピッ

「明後日午後だってさ、清一明けといてくれ。俺は無理そうだから」

 それだけ言って清之進は自分の部屋へ籠った。


 清之進が部屋から出てくると、手にはいくつかの銃器が握られていた。

「これは」

 ジュヌの声がうわずる。

「ああ、ゲベール銃だ」

「滑空の無い先込め銃だね」

「その通りだ、流石は詳しいね」

 ジュヌは嬉しそうに鼻を鳴らす。

「元込めの銃は無いのかい」

「それならば、スナイドル銃とシャスポー銃だ」

「あっ、それならシャスポーがいい。薬莢は紙? 金属?」

「あっはは、やっぱりイギリスはイヤなのか」

「まあね、ちょっとばかり抵抗がある」

 ジュヌはツンと顔を背けた。

「改造型だ、薬莢は金属だ」

「それはいい」

 清之進とジュヌは熱を帯びた返答を繰り返し、清一たちは蚊帳の外に置いて行かれていた。


「姉貴、ゲベールとかシャスポーとかって銃は何なんだろう」

「さあ? わからない」

 呆れ気味の二人の会話を目敏く聞きつけ、父が嬉しそうに説明をしだした。

「ゲベール銃は銃身の先から薬莢を入れるいわゆる先込め銃だ。まあ、戦国時代の火縄銃を想像してもらえばいい」

「はあ」

「スナイドル銃はイギリス製の元込め銃だ、ドアのように開く蝶番に金属の薬莢を入れ発射する。幕末に薩摩・長州が坂本龍馬を通じて武器商人のグラバーから購入したりして集めたものだ。話によるとゲベール銃が一発撃つのにスナイドル銃は十発撃てたそうだ」

「へー」

 清之進の講釈にウンザリする二人は顔を見合わせため息をついた。

「おいおい、話はこれからだぞ」

 そういう清之進に二人は覚悟を決め地蔵のように無に徹した。


「ところで、ジュヌはレイピアはもっているのかい」

 レイピアとは刺突剣と呼ばれる部類の剣であり、主に突きを繰り出し相手を刺すことで死傷させる武器である。

 清之進の言葉にジュヌは頷き「氷上さんから貰ったものがある」

「ただ、それほどいい物ではないけどね」と付け加えた。


「マインゴッシュは?」

 マインゴッシュとは利き腕でもつレイピアに対して利き腕でない方の手で持つ短剣である。

「それは持ち合わせていないかな」

「だったら、取りあえず拳銃を持ってみるか」

「うーん、そうだね」

 曖昧に答えるジュヌの前に二挺の拳銃を並べた。

「モーゼルのHScとベレッタM950だね」

「ああ、そうだ、先ほどの選択で言うとこっちか」

 清之進はM950を差し出す。

「よくわかったね。まだイタリアの方がいい」

 そう言ってジュヌは拳銃を懐に入れた。


 上機嫌の父とジュヌを残して、清香たちはこっそりと部屋に戻る。

「まさか、オヤジと銃器談話出来るやつがいるとは……」

「完全にマニアの顔だったね……お父さん」

「ああ、メチャクチャ早口だった」

「御飯どうしよう」

「しばらく終わりそうにねぇよな」

 振り返った先には、居間で仲良く興奮しあって話している父とジュヌが見えた。



 しばらくして後



「もうそろそろ眠らせておくれよ」

 清一の部屋でジュヌが訴える。

「わかったよ」

 印を結び、術を唱えジュヌを元に戻す。

 小さくなったジュヌを机の上に置いた。

「あれっ、増えてる」

 ジュヌの背中には、先ほど清之進から貰った銃が装着されている。

「よく見ると剣が着いてる」

 左の腰あたりに細身の剣が着いている。

「あっ、ワンドがこんなところに」

 ベルトの右側に職人が巻いてドライバーを刺しているような部分があり、そこにワンドが刺さっている。

「今まで、気付かなかった」

 清一はまじまじと見て、精巧な作りをしていることに今更気付いて驚いた。

「やっぱガチャガチャとかのお菓子の付録とは違うな」

 清一は妙に感心し、ジュヌを机の上に置いて部屋を出て行った。

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