放課後
チャイムが鳴ると同時に、風凛は立ち上がって鞄を掴んだ。
「え、風凛?今日委員会――」
「ごめん!無理!!」
後ろで友達の声がするけど、もう聞いている余裕なんてなかった。
心臓がずっと早鐘を打ってる。
校門を飛び出して、駅へ向かって全力で走った。
「最後の遊び」なんて言葉にするのも怖いけど、
でもそれでも、この時間だけは絶対に無駄にしたくなかった。
駅前のベンチに、湊さんはいた。
ちょっとくたびれたシャツに、細身の黒いパンツ。
携帯をいじっていたけど、こっちに気づくと、顔を上げて苦笑した。
「久しぶり。」
「うん…久しぶり!」
どうして、この人といるとこんなに笑ってしまうんだろう。
⸻
午後は、二人でゲームセンターでいつもの音ゲーをしたり、クレーンゲームに挑戦した。
湊さんはクレーンゲームは下手で、風凛の方がたくさん景品を取ってしまった。
「下手くそじゃん……って顔してんな?」
「思ってないけど……ちょっとは思ってる」
「ほらやっぱり思ってんじゃん」
そんな他愛ない会話すら、全部胸に残しておきたくて、風凛は時々、湊さんの横顔をこっそり見た。
もう少し、時間が止まってくれたらいいのに。
ゲームサンターを出た。
夕暮れが近づいたころ、風凛はふと小さな声で言った。
「……ちょっと、歩きませんか?」
湊さんは軽くまばたきして、それから静かにうなずいた。
「……いいよ」
いつも「24歳とJK」をご愛読くださりありがとうございます。この物語は今週で最後となります。
湊と風凛の物語を最後までお楽しみください。




