困惑
スマホの画面がじんわりと光って、湊さんの返信が届いた。
《お母さんの言うこと、ごもっともだよ。俺たち、もう会わない方がいいのかもしれない。》
……え?
目の前が一瞬、白くなった気がした。
「ごもっとも――」
それは、私が一番言ってほしくなかった言葉だった。
だって、分かってる。
お母さんの言うことが正しいなんて、分かってるよ。
私だって、変かなとは思っていた。
学校でも大っぴらに友達に言えるような関係じゃないんだとわかってた。
でも、だからって、今まで仲良くできた大人に「会わない方がいい」なんて言われたら――
息が詰まる。
胸が痛くて、指が震える。
何か言わなきゃ、でも泣きそうで、でもこのまま終わりたくない。
画面を見つめながら、苦しいくらいの早さでメッセージを打った。
《湊さんまでそう言うんだ……》
《もういいです。》
送ってすぐ、後悔した。
“もういい”なんて、本当は思ってないのに。
ただ、引き止めてほしかっただけなのに。
もっとちゃんと話を聞いてほしかっただけ。
ベッドに突っ伏して、顔を布団に押し付けた。
涙が止まらない。
「もういい」なんて、言わなきゃよかった。
わがままだって分かってる。
でも、今さら取り消す勇気もなかった。
沈黙したスマホの画面が、やけに冷たく見えた。




