劣等感
日曜の再会の後、ひとしきり1人反省会をした後
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部屋の照明は薄暗く、スマホをいじりながら、スーパーで買った冷凍餃子をつつきながら、頭の中ではまだ出来事がぐるぐる回っていた。
――彼女は高校生。
――自分は、24歳……
ーー24
ーーでも、学生なんだよなぁ…
ため息が出る。
自分は行きたい大学のため親に無理を言って2浪して今の大学に入っていた。2浪して大学4年生という現実、それをどこか隠していたことが自分の胸を貫いた。
門松、菱をはじめとして同級生はもう社会に出てバリバリ働いているのに、自分はようやく就活を始めたばかり。
それなのに、「大人」として接してしまった。
優しく、余裕のあるふりをして。
(なにが“大人”だよ……)
食べ終わった食器をテーブルに押しやって、湊はソファにもたれかかった。
天井を見上げて、深く息を吐く。
“学生同士”――それだけ見れば立場は近いはずなのに。
実際には、どう見ても「大人と子ども」だ。
そのギャップを、自分はきちんと分かっていたつもりだった。
なのに、自分に都合のいいバランスで関係を保とうとしていた。
(……ほんとに、恥ずかしい)
楽しい時間を一緒に過ごした相手に対して、誠実だったか?
大人のふりで押し切って、彼女を安心させようとしていなかったか?
なによりも、同級生が「大人」として真面目に働いているのに俺は高校生と遊んで浮かれて何をやっているんだか…
初めて会った日も働いていたわけじゃない。就活で会社説明会に行っただけだ。なのに、咄嗟に嘘をついて…
気持ち悪い。自分で自分を殺したくなる…!
やっぱり、会わない方が良かったのかもな。
そんな自己嫌悪の渦中に飲み込まれながら、その日は寝た。




