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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

(怪談)ニンゲンコワイ。。。

作者: 原 海象

ご無沙汰しております。原 海象と申します。


今回は、短編の怪談話を投稿しました。最初は2ch等にカキコミしようと思ったのですが急遽止め、最近ご無沙汰であった小説家になろうに投稿しました。


この話は実話なのですがなろうに投稿する際、読みやすいように書き直しました。

また登場人物、団体、会社、地域などは本当に実在するのですが後々問題になるといけないので伏せさせて頂いております。


なお、山に登山する際には塩・米・日本酒を持参することを推奨します。。。

(怪談)ニンゲンコワイ。。。




 本題に入る前に事前情報として自分の家系を説明します。父方の一族郎党は九代にわたり建設業か不動産業を生業としてきました。そして自分の父は今でこそ三輪大社を祀ったり、月命日、菩提寺の檀家総代など信心深いですが、現役のときは準大手ゼネコンの副支店長をしていました。この地位になると政治・経済団体や地域の建設工事の動向等、様々な情報が入ってくるそうです。


 そんな父に

「心霊スポットのトンネルや道路には幽霊は存在するのか」 と質問しました。

そしたら、「そんなもんあるか、あったら日本中幽霊だらけになるわ」 と馬鹿にされました。


 また、大学の土木の指導教官に同様の質問したら鼻で笑われました。

(チキショウ!)


 教授の見解では「幽霊の出るトンネルは光と勾配が原因で、暗いトンネルからいきなり明るくなることにより目が一時的にかすみ、目では平坦の道であっても機械で測量すると下勾配で、車を走らすと下勾配により急加速し、目が見えず加速するから慌てて急ブレーキをかけ、そのために後続車はそれに対応できず玉つき事故になる」そうです。


 とまあ、ロマンもへったくれもない現実主義な二人意見なのですが例外的に

「北の方のトンネルや道路だけは注意しろ」との話がありました。

(詳細は風評被害で怒られたり、肝試しに行く人がいるから伏せさせてもらいます)


 ここから本題にはいります。


 黒部ダムの建設時代、TVや本では工事の困難性や最新技術に挑戦した等の美談が語られますが、実際事業にと携わった人から聞いた話では、巨額のお金が動いて、末端の作業員は工事のため山にこもり殆ど禁欲生活をして給料日になると町にくり出し、地元のヤー公の提供する賭場や酒場、女街で散財して地元に落ちるお金は凄かったそうです。


 これを知った国会議員や地元の有力者はこぞって「自分たちの町にもトンネルや道路を」と誘致合戦をしていたそうです。そんななかで北の方にトンネルや道路を建設する計画がたったそうです。用地買収には山の所有者は林業をしていましたが、林業による収入より補償金の方が多額だったのですんなりOKがでました。

 しかし地元の村では、山岳信仰をしており工事に反対する意見が多々ありました。しかし貧しい村なので現地採用の作業員を雇用するという条件を提示し、村にとって多額の現金収入が入るから反対の意見がかき消され工事は着工となりました。



 ここで当時の土木技術者や作業員とは、どのようなものか説明をさせてもらすと。退官した大学の名誉教授の回想録の話では、先生がまだ講師だったとき、今の大学生のような楽しいキャンパスライフという甘いものはなく。工学部なので1~2年の留年や単位不足で卒業延期というのは当たり前、下駄や地下足袋を履いて学校中を歩きまわる。年齢層も広く先生より年上の学生がいたそうです。そして先生が「ボク」と言うのに対し、学生は「ワシャ」と言ったり、講義で間違ったことを言ったならば、「ぶん殴られるのでは!?」というぐらい戦々恐々として講義をしていたそうです。   

 また当時の作業員についても、斡旋人がどっかから集めくるのですが、皆スネに傷があるというより人として一線を越えてしまったような面構え人が多くいたそうです。


 起工式や地鎮祭が終わり、実際工事が着工になると重機の故障や突然の急発進、土砂崩れ等が発生したり、建設会社の現場代理人(工事現場監督)が熱病にかかり頻繁に交替するなどがあったそうです。これを知って現地採用の作業員は山神様(何が祭られていたのか分かりませんので便宜上山神と言います)の祟りだと騒いでいたそうです。


 このとき、建設省から派遣された役人は工期の遅れや祟りなどの噂に頭を抱えたそうです。そして工事が進むにつれ作業員が住む仮設住宅(というよりタコ部屋)で心霊現象定番の金縛りや壁を叩く音等が多発したそうです。昔なのでクーラーは当然なく、風呂もない、部屋は男臭く、娯楽は賭け事か酒を飲むということでウサを晴らすしかないという生活を送っていました。


 そんななか、部屋の作業員達が突然金縛りで動けなくなったということが起りました。しかし、ある作業員はムクリと起き上がりドンドンと音の鳴る壁に向かって「うるせ!」と言って逆にガンガン蹴って気分が晴れたのか自分の寝床に戻って寝るという始末。

 また、「坑内に女の幽霊が出る!」という噂が流れ地元民は恐れおののいたのですが、ある作業員は「若い女の幽霊だったらと捕まえてマワそう」とお化けを相手に輪姦りんかんしようと恐ろしことを言う人がいたとか。


 このような状態のなかで一番の被害者は建設省から派遣された役人で、議員や地元の有力者から工事の遅れでつるし上げを受け、上司には嫌味を言われ「お化けがでるので工事ができません」など言えるわけがなく、神社本庁に相談したり同僚に相談したりして、できるだけ出世の為、穏便にことがはかるようにその地域の氏神様をまつっている神社の神主さんに依頼して御社を立てたり、安全祈願祭をしたそうです。


 しかし、ある日とうとう人身事故が発生し、これを知った役人はブチキレたそうです。

 

 工期の遅れだけでなく人身事故を発生させたとなると出世街道が閉ざされ、役人としての人生は終わることになるそうです。出世ができないとわかった役人に怖いもはなく。その役人は優秀な技術官僚だったので、本省に戻ると有力議員の意向をほのめかし臨時予算を出させ、同僚から当時の最新技術を教えて貰い、工期日程も通常の日程ではなく、複数同時工事をして何か問題が発生しても他の区間で工事続行できるようにして山神にケンカを売ったそうです。


 地元の作業員はビクビクしていたのですが、他の作業員は「てめーら、お上からの許可が下りたぞ!」と異常に士気が高く。御社にションベンを引っかける不届き者がでたとか。山神も素朴な村人達に畏敬に念を込めて「神様!!」として祀られたのが、まさかこんな仕打ちを受けるとは思ってはなく。自分のテリトリーを守るために必死に工事を妨害したそうです。


 最初の怪異は、工事中の作業員のなかでいつの間にか謎の外傷を受けた人が多く出ました。


 しかし、「こんなもん、ションベンと酒をかければ大丈夫だ!」とサラシを巻いて工事を続行。

 工事中に白蛇が出て「山神様の化身だ!」と言って逃げ回る地元民のなか、スコップやツルハシで白蛇をブチ殺し、その死骸を酒の肴にして食べてたそうです。

 もちろん食べた人は食中毒になったのですが「酒を飲んで寝れば治る!」と現代医学にケンカ売るような凄まじい論理で工事は続行したそうです。


 そしてとうとう、工事が無事完成し、人類の勝利となりました。

 

 地元民は山神様の祟りが降りかかるのではと怯えたのですが、関係者全員に祟りなどなかったそうです。そして役人も清々したが流石に可哀そうになり慰霊碑を設けて手打にとしたのですが、建立して数日でぶっ壊れたそうです。


 そして、現代になって何十年も経っているのに今だに山神はネチネチと恨みを持っているのか、頻繁に落石や晴れていたのに突然の豪雨が降ったり等、管理団体では「またかよ」と落石対策として防護ネットを張ったり、頻繁に道路路面改修工事をしているそうです。


 父に西の方はどうなのか聞いたら「俺は西には縁がないから知らないが関西系のゼネコンなら知っているんじゃない」とのこと、教授にも聞いてみたら笑って誤魔化されました。



      日 本 酒 最 強!!


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