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033 虫解体屋、即日廃業

『条件を満たしました。スキル〈魔力感知Lv.5〉が〈魔力感知Lv.6〉になりました』


 うおっ、びっくりした。


 泡を吹いて倒れるどでかいカマキリの死骸を見つつ戦いが終わった安堵感と達成感に浸っていると、突如頭に響いた声で再び心臓が跳ねる。

 やっと落ち着けるんだから驚かせないでほしい。


『条件を満たしました。〈フレアヴァルプスLv.3〉が〈フレアヴァルプスLv.4〉になりました』

『条件を満たしました。各種ステータスが上昇しました』

『条件を満たしました。スキル〈魔鎧Lv.3〉が〈魔鎧Lv.4〉になりました』

『条件を満たしました。スキル〈魔力補充Lv.1〉を取得しました』


 おぉ~!レベルアップ!

 こいつそんなに強かったのか?

 …あ、いや、必ずしも格上のほうが経験値量が高いとは限らないか。どのみちあと少しでレベルアップだったか、あの〈渡り者〉のスキルのおかげかな?経験値量が劇的に増える、だっけ。

 私の足だけ速いのもこのスキルのおかげなのかな。

 …それはまた別かな。


 まぁそれはいいや。

 レベルアップしたし、ステータスの確認しておくか。

 ほい鑑定っと。


『《フレアヴァルプス Lv.4

 ステータス

 名前:なし

 魔力:354/354(+118)

 体力:272/272

 基礎攻撃力:106

 基礎魔法力:118(+39)

 基礎防御力:88

 基礎抵抗力:67

 基礎敏捷力:540

 スキル

 〈魔力感知Lv.6〉〈魔力操作Lv.6〉〈視覚強化Lv.4〉〈嗅覚強化Lv.6〉〈暗視Lv.5〉〈気配抑制Lv.4〉〈気配察知Lv.5〉〈記憶Lv.5〉〈鑑定Lv.6〉〈威圧Lv.4〉〈思考加速Lv.6〉〈魔力循環Lv.3〉〈魔闘気Lv.4〉〈魔鎧Lv.4〉〈魂思考〉〈魂記憶〉〈第六感Lv.5〉〈自動回復Lv.6〉〈魔力補充Lv.1〉〈体力回復Lv.6〉〈尖牙Lv.7〉〈尖爪Lv.7〉〈火魔法Lv.4〉〈風魔法Lv.2〉〈土魔法Lv.2〉〈火耐性Lv.6〉〈毒耐性Lv.4〉〈痛覚耐性Lv.6〉〈恐怖耐性Lv.3〉〈虫殺し〉〈アラネア殺し〉〈渡り者〉》』


 …おぉ~。

 基礎敏捷力以外のステータスもついに三桁か。三桁って強くなってるのかな。

 強くはなってるか。数値は上がってるし。

 ……でもなぁ、このカマキリ見てると、この程度のステータスじゃ意味がないような気がしてくるなぁ。

 う~ん、まだまだ、と思っておこう。

 多分、あのにっくきカブトムシもステータスはもっと高いんだろうし。

 ワンチャン四桁以上あったりして。



 ……それにしても。

 私って結構強いか。もしかして。

 自分のことはそれなりに動けるとは思ってたけど、進化してステータスもレベルも上がって、前以上に余裕をもって戦えるようになった。

 戦ったことは想定外だったけど、思わぬ形で今の自分の戦闘力を測れたかも。

 今後はあんまりビビらずもっと積極的に狩りに行ってもいいかもなぁ。


 ……よし、じゃあとりあえず、コイツ食うか。


 最近、というかキツネになってからほぼずっとなのだが、狩ったら即食べるというサイクルを続けてきたせいでそれが癖みたいになってる。

 保存できないからできる限り早く食べたいのと、この体が満腹感を感じにくいが故の結果だろうと自分では思っているが、実は私には食いしん坊の気があったのではないかと少し不安である。


 一応満腹感を全く感じないわけではないので、あのアラネアの死骸の山とかを食い尽くせば、もうこれ以上食べられない、という状態になる可能性もあるが……。

 なるほど。テレビで、お腹いっぱいにならないというフードファイターを見たことがあるが、こんな気持ちだったのだろうか。

 なんというか、漠然と寂しい。


 死骸からほど近い場所の壁に土魔法で穴を掘り、簡易的な拠点を作る。

 別にその場で食ってもいいのだが、食べてる途中で魔物に襲われても嫌なのでね。

 とはいえ、流石にこの巨体を直接拠点内に入れることは難しいので、爪とか牙で部位ごとに切り分けて小分けにして拠点に入れようと思う。

 さながら動物の解体作業である。

 というわけで、早速解体開始!!





 しばらくして。


 Q.今、私の目の前に転がっているものはなんですか?


 A.ハイストーンマンティスだったものです。


 牙と爪程度でこの巨体を解体しようとした私は、しかし鋭いとはいえ刃物ほど鋭利ではないもので上手く解体などできるはずもなく、というかそもそも解体の知識なんてものすらなくて。

 結局部位ごとに引きちぎって小分けにした結果、死骸は見るも無残にぐちゃぐちゃになってしまったのだった。


 …これはモザイクものだなオイ………。

 なんか、ごめん。


 まぁでもこうなったものは仕方ない。

 別に食べられなくなったわけでもないし、むしろ野生の獣っぽさがあっていいんじゃなかろうか。

 キツネはこういうことしなさそうだけど。

 いや、というかそもそも、私に負けたこいつが悪いな。

 うん、全てはこいつのせいだ。負けたのが悪い。そういうことにしておこう。


 死骸がぐちゃぐちゃになった責任を適当に死骸に押し付けつつ、私は小分けにした肉塊を拠点の中に運んでいく。入らない分は拠点入り口付近に置いておいて、土魔法で覆い隠しておいた。


 しかしこのカマキリ、驚いたことにしっかりと肉があった。

 白身魚みたいな白い肉。血とか通ってないのかな。

 てめぇらの血は何色だァーッ!!なんつって。


 ふざけるのもそこそこに、さっそく実食。


 あむ。…ふんふん。

 ………まずい。味がしない上に乾燥してパサついた鶏肉みたい。

 そんな鶏肉食ったことないけど。

 あ、焼いたら多少はマシになるかな。

 …いや、今魔力減ってるしやめとくか。

 あ、ていうかあれだ、あれ。焼きすぎて水分のなくなったパッサパサの白身魚。

 あれの味をなくした感じ。

 まぁ、まだ肉があるだけ他の虫よりマシかな。


 というか思ったんだけど、私の味覚って狐の魔物のものだよね?

 なんで獲物のはずの魔物を美味しいと思えないの??

 いや、動物が必ずしもなんでもかんでもおいしいと思って食べてるわけではないか…。

 ペットの猫とか犬とかも、味の上等な餌とか味の濃い人の食べ物とかあげてると舌が肥えて普通のペットフードを食べなくなるって聞いたことあるし。

 私も、人間のころの味の記憶があるからこういうのを不味いと思っちゃうのかなぁ。


 う~ん、せめて塩でもあればなぁ。

 もう少しマシな味にできるだろうに。それなら焼いて食べるものやぶさかではない。

 ……あ、それなら水魔法とか取得して茹でたりするのもアリか…?

 水魔法があるかどうかはともかく、土魔法で鍋とか作れそうだし。


 ……いや、やめとこ。

 なんかそういうことしたらただでさえ不味いこいつらを余計に食べられなくなりそう。

 うん、今のままでいいや。今のまま、素材の味を楽しんで食べよう。

 そう!素材の味を活かした食べ方をしてるんだよ私は。

 余計な手を加える必要なんてない。うん。

 そういうことだ。


 っと、そんなことを考えている間に完食してしまった。

 お前は虫の中だとマシな味だったぞ、カマキリ。でもアラネアの方がうまいぞ。


 ……さて。

 今後の方針はちょっと変えないとなぁ。

 魔法の練習はやるとしても、必要以上に隠れる必要はないかも。

 普段は気配抑制を使って慎重に探索するけど、魔物を見付けたら積極的に喧嘩を売る形でも問題はないかもなぁ。


 ……というか、エンペラービートルにボコボコにされる前は割とそんな感じで動いていたような…。

 ちょっと、アイツに殺されかけてから死にそうになることが多くてビビり気味だったかも。


 うん。今後はもっと積極的に狩りに行こう。

 強くなるって決めたしね。

 でも油断はしない。

 これ、大事。


 慎重かつ大胆に!

 私の探索はこれからだ!

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