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Episode8-1 田所誠二

 岩倉に会いにホテルに泊まった侑人は次の日、岩倉からの電話がアラームとなった。『俺が会ったって話たら合わせろとかほざいたから、時間があったら会ってやってくれ』と、言われ名を聞くと文彦のことを調べようとした時に早くから連絡をしてくれていた人だった。 名は田所誠二といい、元帝国海軍パイロットである。『田所は羽鳥大尉といた時間が長い奴だから色んな話が聞けるだろう』とも言っており会うのが楽しみになった。

本当なら次の日は大阪を観光してから帰ろうと思っていたが、田所に会えるため取っていた新幹線もキャンセルし田所の元へ向かう。

示された場所へと行くと、どう見ても高級そうなホテルの前で唖然と見上げていると1人の老人が歩いてきた。

「君が羽鳥侑人くんかな?」

「……え、あ、はい!田所誠二さんですか?」

「私が田所です。急に呼び出すような形になって申し訳ない」

向こうから話しかけてくれたおかげで、侑人は老人が田所であることがわかった。急の対面に対して謝罪が来たが、また大阪まで来る交通費を考えると急でも会ってもらえることが侑人にとって嬉しかった。

では行こうと着いたのはわざわざ侑人のために取ったのか、旅行のバックなどが一切無い部屋であった。

「まさかお孫さんに会えるなんて夢にも思わなかったよ。私は甲飛10期で岩倉とは同期なんだ」

「……あ、岩倉さんがおじいちゃんは甲飛10期と縁があると言ってました」

「そうそう、羽鳥さんが部隊に配属され分隊長を務められた頃に我々甲飛10期も戦場に出されたもので、直属の部下になることが多かったんだ」

田所は懐かしいなと言いながら戦闘機のプラモデルを出して見せてもらえた。

「これは南方で羽鳥さんも乗っていた零戦で、羽鳥さんとの出会いは今でも覚えてるよ。私が生涯お世話になったのは羽鳥さんと岡部さんであの二人の初対面は印象深いものがあるよ」

田所は腕を組みなが頭を縦に振るが、侑人は部隊が変わっても羽鳥は大きな顔で登場したのであろうと、何となく予想はついたがひとつ疑問に思ったことがあった

「すみません。岡部さんってどなたでしょうか?」

「ん?あぁ、岡部さんは岡部大誠といい予科練丙3期で空戦の神様と言われた撃墜王だ……そうだな、岡部さんも羽鳥さんを語るには欠かせない人だから岡部さんの話を少しさせてもらうね」

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