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Episode6-1 田波百合子

侑人は本野と別れて直ぐに先程教えてもらった番号に急いで電話をかけると、羽鳥文彦の名を出した途端に大阪だが来れるかと言って貰え小さくガッツポーズを、しながらよろしくお願いしますと言った。

約束した日にちが一週間後であった為、侑人はある人物の元へ向かうことにした。

羽鳥文彦の、妹である旧姓羽鳥百合子は名古屋大空襲により燃えた羽鳥家本家の跡地に家を建て孫たちと暮らしているらしい。会ってもらえるか連絡した際、いつでも来て欲しいと言って貰え3日後に向かわせて貰うことにし、侑人は交通費や夏休み明け後のことを考え日雇いバイトに精を出した。祖母いわく、文彦と百合子の顔は似ていないと言っていたが、いったいどのよう話が聞けるのかワクワクした。

百合子の家に着くと、家の大きさに驚いた。元々あった羽鳥家の領地がそれくらいあったのか、昭和区の中心にこんなに大きな家が建つのかという方に目を見張った。

呼び鈴を鳴らすと気の良さそうな老人が出てきた。

「1度も会ったことないのに呼び出したような形になってしまってごめんなさい。私は羽鳥文彦の妹の田波百合子と申します」

「羽鳥文彦の孫の羽鳥侑人です。お会いできて光栄です。」

どうぞと中へ通してもらうと、洋風な外見と違い中は和風な作りになっており通された部屋は祖母の家にいる安心感があった。

お茶を出してもらい1口飲むと百合子は、ニコニコと侑人の顔を見ていた。

「まさか孫が文兄のことを調べるなんて、私が生きている間に興味を持ってくれてありがとう」

嬉しそうに言われると侑人も嬉しくなり、なぜ文彦を、調べることになったのかの過程を説明すると百合子は和樹を責めるのではなく、やはりそのような考えになってしまったかと悲しそうにしていた。

百合子曰く、祖母である幸子は和樹が小さい頃から無理をして倒れることが頻繁にあったらしい。元々貧血持ちだったが、和樹を産んでから悪化し無理がたたると気を失ってしまう体質になってしまい、百合子も倒れた幸子の代わりに和樹の面倒を見たこともあると聞き、やはり昔は交流があったのだと分かった。

「旦那が1度ガンで入院したあたりから和樹くんも学業が忙しくなって徐々に疎遠になってしまったの」

別に仲が悪くてとかではなく、やはり年ねと百合子は微笑んでいた。不仲で疎遠になったわけではなかったことに安心したが、年賀状でのやり取りは続いていると聞き祖母の家の年賀状なんて見る機会がなく知らないのも当たり前のようなものだ。

「祖父の話を一切していなかったから縁を切っているのだと思っていましたが、そうでなくて安心しました。……ここから本題に入らせていただきます。田波さんにとって羽鳥文彦はどのような人物だったのですか?」

「……私にとって羽鳥文彦は私を一番に可愛がってくれる自慢の兄でした」

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