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Episode4-4

話終わり1度目を閉じ静かに侑人の方を見る

「羽鳥はあの日、午前は仕事で午後は三重にる俺と幼なじみに費やした。あの愛妻家である羽鳥が奥さんに名古屋にいることも知らせていなかったんだ。あの頃のあいつは何を思っていたのだろうな」

侑人は1つ疑問に思ったことがある。文彦がいつも笑っていたという事である。麻也の話から中学時代の文彦は集団が苦手だったのではないかと思われる。いつもつまらなそうに本を読んでいたと言っていたが、そんな人物が軍に入ってすぐにそこまで溶け込んで行けたのだろうか。

「文彦はいつも笑っていたのですか?」

「……そうだな、人と話す時はいつも笑っていた。普段は無に近い表情をしていることが多いから怖がられるが話す時はあいつは必ず口角を上げ話す癖があった……ふっ、君にもそのくせが受け継がれているようだが?」

指摘され口元を触ると口角が上がっていることが分かる。確かにいつもどんな時も話す時は楽しそうだと言われることを思い出した。

「会ったこともない祖父ですが、癖が似てるって言われると嬉しいものですね」

「あいつは元々そこまで心は強くなかった。同期の父親の死を聞いただけでも涙を流すようなやつだったからな。人の死には敏感な男だったよ……九州にいたからもし生きていたらキノコを見て何を思ったんだろうね」

人の死に敏感だった文彦は多くの仲間を戦場で亡くしてきた。郁が言うキノコは原子爆弾のことであろう。広島と長崎に落とされま原爆の事はそれほど近代史に詳しくない侑人でも知っている事である。羽鳥文彦の命日は8月1日で原爆前に亡くなっているが同期の親の死でも涙を流していたと聞くと、あの地獄の光景を見なくて良かったのではないかとも思えてくる。

「修学旅行で原爆ドームに行ったことがありますが、あれは本当に地獄のようでした」

「あぁ、日常的に地獄だと思っていた空間よりさらに地獄が待ち伏せていたなんて誰が想像出来るものか。……羽鳥は生きて帰ってくるなんて1度も言っていなかったんだ。しかし俺はあいつは帰ってくると思っていた。模擬空戦だけいつも吉田と上位を争い、無茶な着陸練習ばかりして戦機を破壊していたが……あいつは見た目によらずビビりで臆病だった」

郁は文彦は帰ってくると思っていたと言う。侑人にとって郁は文彦の人物像を組み立てる中でとても役に立った。

どれが本当の姿かは分からないが違う環境で今まで見えてなかった姿が出てきたのかもしれない。いつも話す時は笑っていたことも幼なじみの斐蔵にとっては当たり前のことすぎて文彦のくせとしてさなしにもでて来なかったのである。

今日一日でノートも結構埋まり外も暗くなってきた為、郁に感謝をし帰路に着くことにした。帰りは夜行バスではなく新幹線を予約していたため、時間ギリギリであった新幹線に走り乗り今日メモをしたノートを見直した。

こぼれ話

・羽鳥は集団生活が苦手

・最初、吉川の事をめんどくさいやつと毛嫌いしてい。

・近藤のヤクは中毒まで行っていたが、脱退してから手に入らず強制的に中毒を治した

・近藤は元々運動神経抜群で3人の中では1番であった

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