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「いいよー、やろやろ」


 こういうの、サンプルが多い方がいいしね。流石に九十二点を上回る点数がそう簡単に出るとは思わないけれど、わたしと透くんだってそんなに悪くないはず。

 そう、思って気軽にやったのだが――。


「――さ、三点!?」


 予想もしていなかった低い点数に、わたしは素っ頓狂な声を上げてしまった。

 三点、三点って!

 恐るおそる彼の方を見てみれば、悔しそうに顔を歪めている。そうだよね、たいして付き合いが長くもない赤希との相性が九十二点で、長年の幼馴染であるわたしたちの相性が三点って、そりゃないよってなるよね。

 しかし、これは赤希へのフォロー以上に、なんて声をかけたらいいのか分からないな。


「……これ故障してねえか?」


 そう言い出したのは赤希だった。

 わたしと透くんの相性が悪い、っていうのもあるけれど、彼自身、わたしとの相性がいいって認めたくないんだと思う。彼が好意を寄せているのは姫鶴なのだから。


「ま、まあ、遺伝子的相性と、感情的なものはまた別の話ですから」


「そうだけどよ……」


 わたしの言葉に、納得いかない、という表情を見せる赤希。

 それもそのはず。感情は別、と言うのが事実でも、これで相性診断が高得点だと、感情的にも上手くいくことが多い、というのが定説だ。ちなみに、逆もしかり。

 それでも、何事にも例外はあるものだ。


「わたしと透くんは仲良しなんですから。わたしたちの関係は三点なんかじゃありませんよ」


「万結さん……!」


 わたしの言葉に機嫌が直ったのか、パッと透くんの顔が明るくなる。


「それに万道具の可能性は無限大なので! 今は遺伝子的な相性診断しかできない結び相ですが、そのうちバージョンアップして感情込みの、より精度の高い相性診断ができ結び相ができますよ、きっと!」


 わたしは拳を握って力説する。

 わたし個人では難しい研究ではあるけれど、そのための黎明学園。設備が整った学校でなら、研究もきっとはかどることだろう。


 祖父が亡くなって、店を継ぐことになってから、店をやれるだけの知識と技術はもうあるから学校に通うのは無駄だな、と思っていたけれど、学校だとこういう設備面の問題が簡単に解決してしまうのか……。

 今から通うとなると店を一時閉店しないといけなくなるからやらないけど、学園に通うのも全然アリだったな。惜しいことをしたな……。


「わたしの代わりに一杯学園で学んで研究してくださいね! 呼ばれれば手は貸しますし、完成した暁には是非、設計図をください!」


「万結さん……」


 透くんに何故か呆れられてしまった。

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