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 艶やかな髪に、触り心地のよさそうな白い肌。しかし、断じて血色が悪いというわけではなく、唇はパッと目立つ、明るい赤。顔の造形は勿論、スタイルだって抜群で。

 普通に見て、姫鶴のほうがヒロインにふさわしいのではないだろうかと思う。

 中身はわたしが執着しているものとは違うだけで立派なオタクなんだけど。

 ――それでも、きらきらと輝く彼女に気軽に声をかけられるかというとそれはまた別の話である。


 某日、わたしと姫鶴は、女子会みたいなものを開いていた。

 先日、ようやく完成した縁提灯を納品しに彼女へ会いに黎明学園へと言ったのだが、その際の雑談で、一緒になって甘いものを食べに行きたい、という話から始まり、気が付けば、一緒に出かけよう、という話になったのだ。


 ついこの間、修理依頼と製作依頼が一気に入り込んだため、店の定休日でも万道具を作るつもりでいたのだが、多少は自分をかえりみて、万道具以外のこともしよう、と思った矢先のことだったので、折角なら、と誘いを受けてみたのだ。

 同じ世界で生きていたもの同士、気兼ねなく話ができる、というのも大きいけど。


 女子会、というのはなんだか大げさだが、互いに知り合いがいない場で話をしたい、という意見が一致したのである。

 この世界に生まれてからもう十数年は経っているけれど、それでも前世の話ができる相手がいる、というのは非常に大きいのだ。わたしの、この記憶が妄想でも病気でもなんでもないことを実感できるから。


 ――そんな会の待ち合わせ場所で声をかけるのに、非常にためらっている。

 あまりにもきらきらして見えるので、相手を間違っていないか不安になるのである。

 今日の彼女はすっかり私服モードで、普段着ている制服ではない。しっかりめかしこんでいた。女相手でも気を抜かないってすごいな……。


 商店街入り口にある門のあたりに立つ彼女は、周りから際立っているように見えた。

 じっと彼女を眺めていると、ばちり、と彼女の視線がかち合う。


「あっ、万結っ!」


 ぱっと顔を明るくしてこちらに駆けてくる彼女はヒロインそのものだ。可愛い。そりゃ攻略対象も放っておかないよ。もう彼女がヒロインでいいんじゃないかな。


「来てたのなら声かけなさいよね」


 少し拗ねたような声を上げる姫鶴。軽く謝るが、約束の時間が過ぎていたわけでもないので、あまり気にはしていないようだ。


「今日はどこへ行くんです?」


 話がしたいから会おう、ということにはなっていたが、これと言っていく場所を決めていたわけではない。商店街にはいろいろと店が並び、茶屋や甘味処みたいな、会話をするにはもってこいの場所もあるため、とりあえずここを待ち合わせ場所にしたのだが……。


「――服、買いに行くわよ!」


 姫鶴が放ったのは、わたしが予想もしていなかった言葉だった。

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