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 無事に帰ることができた翌日。結局、あの後、クマクの種油の製作に入れず、強制的に休まされたので、今日、店を開きながらやることとなった。今、種油は万道具で乾燥させた工程を経て、蒸している最中である。一日冷まして置かないといけないから、蒸すところまでは昨日終わらせたかったんだけど、まあ、仕方がない。


 ちょっと睡眠時間は減るけれど、そこまでカツカツな製作スケジュールにはならないのが幸いだ。よっぽど店が混んでしまうと話は変わってくるが……まあ、この店もそこまで混雑することは早々ないからな。


 ありがたいことに、常連が何人もいて、それなりにやっていけるくらいには売り上げがあるものの、逆に、儲けてウハウハ、というほど売れているわけではない。

 まあ、年に一度か二度くらいは、行列ができるくらい、アホみたいに混むんだけど。


 とはいえ、そういうときは大抵、製作依頼や修理依頼が既に立て込んでいて、それの引き取りと一般客がぶつかることによって謎の大混雑ができあがるので、予想はできる。

 今は暇だし、そんなに混むことはないだろう。現に、今、お客さん一人もいないし。


 わたしは、ぼーっとしているけれど、透くんは暇そうに棚を掃除している。やることがないから、仕方なく掃除をしている、という感じで、清掃に身が入っている様子ではない。


 ――こうして見ると、透くんも顔がいいのだな、としみじみ思う。攻略対象に比べたら地味で気が付きにくいだろうが、ぱっとしないだけでかなりのイケメンである。

 透くんとの付き合いは長いから、あんまり異性として意識したことはないけれど、それなりにモテるであろうことが簡単に予測できる。


 顔がよくて、性格もよくて、収入は……まあ、高くはないけれど、低くもないはず。妻と子供一人くらいなら、なんとか養える金額は支給している。子供が二人以上になるとちょっと厳しいと思うけど……うちにもそこまで余裕があるわけじゃないから、許してほしい。いや、本人は文句を言ってきたことは一度もないから、許されているはず。

 寿退職はしない、と言ってくれていたけれど、流石に、いつかは誰かと結婚するだろう。相手、どんな人なのかな。


「――店長?」


 わたしの視線に気が付いたのか、棚を掃除していた透くんが振り返る。


「何かやることあります?」


 わたしが話しかけるタイミングをうかがっていると勘違いしたらしい。一応、掃除っぽいことはしてたもんね。


「いや、何もないよ。暇だなーって、透くんはどんな相手と結婚するのか考えてた」


「……えっ!?」


 透くんは驚いたように声をあげ、べちゃ、と持っていた雑巾を落とした。

 ……やば、こういう話題って、この世界でもセクハラとかパワハラになるのかな。

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